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手書きメッセージの魔力


昔付き合っていた彼氏に、よく手紙を書いていた。

社会人1年目の時の彼氏が大変にまめな人で、
今思うと「学生かよ!」とつっこみたくなるんだけど毎月の記念日に手紙をプレゼントしてくれていた。

ある時、わたしも「ありがたいな」と思うことがあって、
なかなか改まって言葉にできなかったので、手紙にして渡した時があった。

渡して読んでくれた時、彼は目に涙をうるうるとためながら喜んでくれて、
男性の涙を見ることなんてなかったものだから、かなり驚いた。

驚いて、「こんなに喜んでくれるなら」と、
私も以降毎月書いていた。初々しさが過ぎる。
でもまあ、その彼とは半年くらいで別れたんですけどね…笑


後にも先にも、男性から毎月手紙をもらえることなんてなかったから、わりと強烈な思い出として残っている。


手紙といえば、こんなこともあった。


これまた社会人2~4年目の間、同期の男女数人が本当に仲が良くて、誰も結婚していなかったのもあって、しょっちゅう誰かの家に集まっていた。

今はもうないけど、その時は同僚にバレンタインをあげるという文化がまだあって、
特に仲が良かったそのグループの全員(女性も含めて)に市販のチョコレートと、正方形の付箋にちょこっとメッセージを書いてチョコレートにぺたっとはって渡した。


次の日、そのうちの一人の男性の同僚の家にまた集まった時に、パソコン作業する机の端に、その付箋がきれいに貼ってとってくれていたことがあって、かなりどきっとした。

いや、あんたが渡したんでしょうが!って感じだけど。笑

別にただの同僚だし、
普通の日々の感謝だけ綴ったものだったし、
双方恋愛感情は一切なかったけど、

でもだからこそ、大事にとってくれてる~と思って妙にうれしかった。
もちろん、その後その彼とはなんともありません。今でも仲いい同僚の一人です。

ただそれで間違って意味深なことになってはいけないと思い、今はもうしないけど。笑



今の夫と出会った時、先に好きになった私はどうにか彼と接点を持ちたくて、

彼が甘い物が好きだという噂を聞きつけ、
甘い物(ちょっといいやつ)を調達し、
またもや正方形の付箋に重すぎないけど「疲れたら食べてください」的な言葉を添え、あと2、3行ほど書いて渡したことがある。

その時も不自然じゃないように何人かに渡したうちの一つだけど(飲みに行ったメンバーに渡した)、後々、彼が当時のメッセージをまだ持っていることを知った。

そして私はまんまと、そのお菓子のお礼という名目で2人でご飯に行き、今は妻になった。


なんか…ここに共通した手書きメッセージってすごいな~とふと思いました。

やっぱり「手書き」が意味を持ってしまうのか。
というか、女性って幼いころから手紙交換とかよくするけど、男性はあまりしないのかもしれないな。

たまたま私が関わってきた男性は手書きのメッセージのやりとりをしなかったので、新鮮に感じてくれたのかもしれない。
でも、この話を友人にしたら、「わたしも夫と出会った時、義理チョコに手書きのメッセージつけてたな」と言っていて、また手書きメッセージの魔力をしみじみと実感したのでした。


わたしは中高生の時とか、まさに手紙交換とか授業中にめちゃめちゃした世代なので(授業に集中しろ)、
ちょっとしたメッセージは特に意味も持たない(もらえるのは嬉しいけど、でもであった男性よりもその思いは低いと思う)し、男女ともに広くとらえた世間一般ではそうではないのかもしれない。

うーん、でもやっぱ多少は
手書きメッセージの魔力、あるよなぁ。

なんて、夫がとっておいてくれたメッセージをみて思ったのでした。

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