【読書感想】2024年99、100冊目「風神の門(上・下)」司馬遼太郎/新潮文庫
pp.8--21 八瀬の里、あまい肌
いわゆるサウナのようなものだろうか。少し前に、生まれて初めて砂風呂というものに入った時のことを思いだした。京都付近には、天然の湯が出ないらしい。
pp.54--84 京の雨
「かどわかす」という言葉をはじめて知った。漢字で書くと、「拐かす」と書く。人を力づくで、あるいは騙して、誘拐するということ。
どちらにもつかないという、この服部才蔵の言葉が聞いていて気持ちがいい。事業をしていても誰かに屈指、へりくだりながらの商売は、うまくいくはずがない。自ら道を切り拓いてこそだと僕は思う。
pp.85--115 猫の足音
戦わずして勝つというのが、経営でも王道だと思う。世間と同じことをしていては、競争になって価格を叩かれるだけだ。
pp.116--163 濡れた夜、猿飛
「利をくらわしてても動ぜず」という人を、僕はほとんど知らない。ある人を除いては。
黒田官兵衛が愛弟子として育てた、この後藤又兵衛の話、すごく面白い。ここには書き尽くせない!
pp.164--250 黒屋敷、青姫さがし
「木賃宿」という言葉の語源は、こんなところにあったのか。はじめて知った。詳しい辞書には出ていた。
pp.251--297 真田屋敷
僕、知らないうちに、この術、使っているかも。相手があやつり人形のようになってしまう。
pp.298--340 暗殺行
才蔵は、真田幸村から、猿飛佐助とともに、徳川家康を暗殺するよう命じられる。これは、己の肉を滅ぼす覚悟が無くして、人を刺せぬということを示すために、自らこのようなことをして依頼主に示すという伊賀の作法。なんとも壮絶。
pp.341--402 海道の月(上巻読了)
どこかで聞いたようなことばなので、辞書で引いてみた。
よく似ているけれども、全く逆の意味に近いことばだ。勉強になる。
pp.403--531 ちちろ斬り、駿府城、東軍西上
人間にとって、一番大切なものは、愛嬌だと僕は思う。人間らしさとも言えるだろうか。その点、僕は、どうなのだろう。自分を振り返ってみる。
pp.531--617 鷹ヶ峰
情報は週刊誌で集めるものではないと、司馬遼太郎も書いている。
pp.618–761 霞の陣、淀の川風、冬ノ陣、白椿(下巻読了)
上司を前へ突き出すという態度を見せる部下は、この物語には出てこない。