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農業講座

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兼業農家芸人・松尾アトム前派出所が、長野県の農村やリンゴ農園のあれこれをご紹介
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#松尾アトム前派出所

第13回『爆笑問題さんが梨農業界に与えた影響』

5月後半は梨の摘果(てっか)作業というのがあります。

1房にいくつもついた梨の養分を1点に集中させるために1果にします。
これが摘果のスタンダードパターンです。

たまに枝全体的に果実が少なかったり、
1房にいい果実が2つある場合2つ残します。
この手法を「金玉付け」と呼びます。
なんちゅう下品なネーミングでしょうか!?

この言い方は先代(親父のことね)が若い頃からあったと言います。
おそらく

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第12回『梨の花粉を作る!』

第12回『梨の花粉を作る!』

春になると一般社会においては
お花見という楽しみがありウキウキモードに突入しますが、
我々果樹農家にとってはりんごや梨の花が咲くことによって
仕事量倍率ドンしピリピリモードに突入することとなる。

花が咲くという喜ばしいことにもウキウキとピリピリの表裏一体がある。
世の中は得てしてリバーシブルジャンパーなのだ。

そんなわけで今回は梨の花が咲いてからの農家の動きについて見てみよう!
(何だか科学書

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第11回
『農園のコードネームが生み出す妙』

第11回 『農園のコードネームが生み出す妙』

今回からしれっと第何回とか入れてみたわあ!
コラムっぽいでしょうが!

ところで僕の農園の名前は松尾農園といいます。
正式名称はマルス松尾農園です。
寿を丸で囲んでマルスと表現します!

このように農園の名前には苗字の上部にコードネーム的なもんがつきます。
ご近所の農園からは「おい!マルス!」とコードネームのみで呼ばれることの方が多いの如し!

突然武田信玄の風林火山の口上のような語尾になってしま

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農業専門用語講座『剪定』

農業専門用語講座『剪定』

「リバウンドを制する者は試合を制す!」
「左を制する者は世界を制す!」
「新宿Fu-を制する者は中野芸能小劇場あたりも制す!」

こういった格言を皆さんもどこかで聞いたことあると思いますが、
(最後の聞いたことねえわ!)
りんご業界にも「剪定を制する者はりんご栽培を制す!」という格言があります。
剪定とはりんごの枝を切ること、
いる枝といらない枝の見極めが非常に難しい、
すなわち、枝のオーディショ

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農業専門用語講座『聞き剪定バサミ』

農業専門用語講座『聞き剪定バサミ』

剪定をやるにあたってどうしても欠かせないアイテムがあります。
それは剪定バサミです!
剪定バサミは「天命」とか「飛龍」とか「飛鳥」とか名前がカッコイイのが特徴です。
しかし、以前僕が使ってたやつの名前が「ひろし」
いや、急にダセェ!
友達のなかに4人いるわあ、その名前!
きっとそのハサミを作ったハサミ職人の方の名前がひろしさんって方なんでしょう!
サンドウィッチを発明したサンドウィッチ伯爵パターン

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農村行事講座『節分祭 前編』

農村行事講座『節分祭 前編』

2月3日は節分、ここ農村ではその流れで節分祭というもんが勃発します!

大人が鬼の恰好に扮して「泣く子はいねえか!」つって子供がいる場所に行く秋田のなまはげのカバーみたいなイベントなんですけど、毎年子供は工作で作った鬼のお面を被って我々鬼に扮した大人達に豆を撒くので図式的には鬼 vs 鬼!
大勢の人間使って仲間割れを表現するイベントではないか!
と僕は毎年思っている。
毎年2月3日の午前10時10

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農村行事講座『節分祭 後編』

農村行事講座『節分祭 後編』

前編はこちら

俺とか真田幸村みたいな信州の侍は策を用いてコトに望むことぐらいは、
このコラムの読者なら俄然承知のうえだと思いますが、
(俄然承知じゃねえし!俺とか真田幸村とかって一大人物と一括りにしてんじゃねえし!)
このキナ臭節分問題を一網打尽にするべく松尾は鬼の怖さ早見表というもんを作成したのてあった!

ちょっと1個1個見てみましょう!

鬼の5→セリフの8割奇声をあげる。意味なく無駄な動

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農業販売講座『若手りんご農家vsブルジョワおばさん』

農業販売講座『若手りんご農家vsブルジョワおばさん』

都会のブルジョワおばさんが田舎のりんご農園に直接やってきてりんごを買ってくれるというケースはよくあるんですが、

ありがたい反面僕のような若僧がりんご作ってるとなるとナメられたりします。

まだ冒頭の途中みたいな場面ですがもう宣言しときます。
今回はじっくりいきましょう!

まず僕のような若僧という書き方をしましたが、

現在松尾は人間年齢38歳。本格派のおっさんである。
焼き魚の皮の美味しさとか

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農村食文化講座『蜂の子』(蜂神回)

農村食文化講座『蜂の子』(蜂神回)

ここ信州の農村では蜂の子を甘露煮や佃煮にして食べる文化がある。

かつて配達の設備などがまだ整ってない時代には海から山奥まで魚を運ぶと到着した頃には腐ってしまっていた。
そこで信州の先人達は蜂の子を食べ動物性タンパク質を摂取してたのです。

あと声を大にして いややっぱり声を大にすると疲れるから普通の声量で言いたいんですが、蜂の子はグロテスクだし料理のビジュアルはどブスですがその味は実力派中の実力

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農業講座『薪割りにまつわるエトセトラ』

農業講座『薪割りにまつわるエトセトラ』

りんごの剪定をして切り落とした枝はどうするんですか?

という質問が松尾に多数寄せられてるわけではないんですが、

というか1件たりとも来てませんが、ここはご説明しましょう!

剪定で落とした枝は風呂や暖炉の燃料になります。

太い枝は薪割りをして暖炉や風呂釜サイズの薪にします。

さあ、皆さん!
お待たせしました!

その薪割りで登場するのが農業機械「まきわりかあさん」です。

おそらくこの機械

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