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町中華名店探訪! 栄龍 下高井戸(パロディ百人一首、古今和歌集付です)
今日は下高井戸の町中華「栄龍」さんにお邪魔しています。
お店の外観です。
どうです。この「ザ・町中華」にふさわしい佇まい。
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ご登場下さいましてありがとうございます。
先生のご好意に心から感謝申し上げます
これからもよろしくお願いいたします。
先客が一人。何やら定食を食べています。
さて僕は何にしようかな? メニューをねめまわす。ねめまわす。
麺類にしようか? 定食もいいな。餃子は外せないか?
品書きは目うつりにけりなをかしきに我が身時ふるながめせよとて
おっと、ここで小野小町をパロッたような歌を詠むとはさすがは古文作家!
素晴らしい歌ですね!
いつもだれも褒めてくれないので、自分で自分を褒めます。(笑)
しかしまあ、こんなにいろいろと目移りする良さげな品が並んでいるメニューを見ていると、どうするかあれこれしっかり考えろと言われているようでもあり、そうこうしているうちにメニューのことを考えつつ、いつの間にかぼぉーっとしてしまっていました。(ここの文章は上の歌の現代語訳にもなっています)
そして、、、渾身の長考の末、決まりました。決まりました。
親父さんと目が合いました!
臆せず1手、2手、3手と続けさまに繰り出します。
「ビールとオムライスとレバニラ炒め単品をお願いします」
「すいません。今ニラが切れているんですよ」と親父さん。
ガビーン! いきなり3手目で行き場を失った!
しかしここはうろたえずに予備隊を繰り出します。
「それなら肉野菜炒めを単品でお願いします」
「あいよ」
親父さんの応対はクールです。
ビールを飲みながらしばらく待つうちに出て参りました。
じゃじゃーん!
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じゃじゃじゃーん!
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まずはオムライスからいただきます。
向かって左端にスプーンを入れます。
この辺りの卵はトロトロめに仕上がっているんですよね。
バターのいい香りが立ちこめて来て、ケチャップ色のチキンライスが顔を出します。そのチキンライスにトロトロめの卵がからんだやつを熱いのでハフハフしながら口に運びます。
うまい! いやもうたまんないっす!
ここでビールをグビリ! いやもう最高です!
今度は肉野菜炒めを口に運びます。
これがまたすごいのなんのって、そこのあんた!
すっかり火が通っているというのに、野菜はシャキシャキの歯ごたえをしっかり保っています。
ザクッ! シャキシャキ! 美味い! スゴイ!
そしてビールグビグビ! ぷはー!
豚の小間切れ肉も赤身と脂身がほどよく混じって柔らかく仕上がっています。口に含むと旨味じゅわー。いいですねぇ。
オムライスと肉野菜炒めを交互に口に運びつつビールを飲んでいきます。
ハフハフ ぱくっ! ザクッ! シャキシャキ! グビグビぷはー!
豪快に、豪快に。
ハフハフ ばくっ! ザクッ! シャキシャキ! グビグビぶはー!
(上と下では、 ぱ ⇒ ば ぷ ⇒ ぶ このように変わってます。(笑))
しばらくこのヘビーローテーションを繰り返し、怒涛にように攻めに攻め立てた後……
ここで詰めの最終兵器、4手めを繰り出します。
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どや! じゃじゃじゃじゃーん!
やはりここは日本酒の「冷や」でしょう。
ここで食べ方を日本酒を飲むに合わせて豪快モードから、ちまちまモードにシフトチェンジします。
オムライスの卵のところだけをつまむとか、チキンライスのチキンを引っ張り出してつまむとか、肉野菜炒めの全ての構成要素、もやし、ニラ、キャベツ、ニンジン、ピーマン、玉ねぎ、豚こま赤身、豚こま脂身を個別にちょこちょこつまんで、日本酒をちびりとかやります。
そうそう、チキンライスのライスも立派なつまみになるんですよ。
それからオムライスを包む卵。向かって右の方にいくと、左の方のトロトロ感とは変わっていって、昔ながらの薄焼き卵になってライスを包んでくれています。昭和の正しいオムライスはこうだったことを思い出します。懐かしい。(涙)
チョボっとつまんでお酒をチビチビ、チョコっとつまんでまたチビチビ。
ちまちまちまちま、みみちくみみちく(笑)
おっと、スープを忘れちゃいけねえ。これも立派なつまみだぜ。
あれっ!? ちまちまやってたらつまみは残っているのに、酒が終わりそうになりました。
うーん、ここは思案のしどころですが、元来酒には弱い体質。ここでもう1杯頼んだらドロドロになっちゃいそうです。
今日はここで止めとしました。うーん、少しさみしい(笑)
そして完食、お腹いっぱい。お酒は最後の一滴まで飲み干して、いい感じに酔ってきました。大満足です。
ご馳走さまでした。今日もありがとうございました。
まもりなばいろいろ色をこきまぜてつまみぞ心の錦なりける
素性法師の歌をパロりました。(笑) 気づいたらもうすぐ春ですよね。
☆まもりなば⇒じっと見つめたならば
古今和歌集 春歌上56 素性法師
見わたせば柳桜ををこきまぜて都ぞ春の錦なりける
古今和歌集 春歌下113 百人一首9 小野小町
花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
【追記】
この記事がnoteの公式マガジン「おいしいお店」に3月6日に追加されました。
とても励みになります。noteの編集様ありがとうございました。