算数(数学)は、使わなくても生きていける?
数学専攻で、数学の魅力も知っているT先生の答えはこれです。
「はい、使わなくても生きていけます。」
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大学は数学科を卒業しており、
そこまで数学の能力が秀でているわけではありませんが、
数学を専門としている分、
また数学を教えている分、
数学についてそれなりに勉強はしてきていますし、
数学の魅力にも身をもって実感しております。
私自身、T先生は学校現場や塾での数学の指導経験があるため、
このような質問はよく受けてきました。
そんなT先生が生徒から授業中や休み時間に、
「数学って使わなくても生きていけるやろ?」
と聞かれたとき、
こう答えます。
「うん。そうやで。」
この質問は、他教科の先生や社会人の友達からもよく聞かれます。
こう答えると、多くの人や生徒は驚きます。
私が意地になってでも
「数学は必要や」
と答えると思っているのでしょう。
そう答えると、
「え、ほんなら数学いらんやん。」
「なんでこんなん勉強せなあかんねん。」
と続けて言われます。
私自身のこの答え方は少し雑ですので、
なぜそう答えているか詳しくお話しします。
(実際にこの質問をされたときの回答にも、次の説明をしております)
数学が苦手な方でも、算数の必要性を感じている人は多くいます。
しかし、私自身、
「生きていくために算数は必要か?」
と聞かれると、
これも、
「いいえ、ほぼ必要ありません。」
と答えます。
「たし算、ひき算、かけ算、わり算だけは必要やろ!」
と反論もいただくのですか、
「たし算、ひき算だけでいい。」
と答えます。
なぜなら、かけ算もわり算もたし算やひき算だけで表すことができます。
例えば、$${3×4}$$はどう意味でしょうか?
これは、3が4つ分、
つまり、$${3+3+3+3}$$と同じ意味です。
だから、かけ算を使わずともたし算で表すことができるのです。
じゃあ、かけ算は必要ないのか?
そんなことはありません。
例えば、3を100回たしたいとき、
$${3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3+ 3+3+3+3+3+3+3+3+3+3}$$
と書き、これを計算しますか?
いや、そんなことはしたくないですよね?
だから、かけ算という便利かつシンプルな計算方法で、
$${3×100}$$と表すのです。
かけ算は使わなくても生きていけるは間違い無いですが、
たし算だけでいくと、時間がかなりかかり、
答えを出すのにかなり時間と労力を要します。
使えるようになると、
世界をラクにかつシンプルにすることができる。
算数や数学にはこんな特徴があると思っています。
今や生活に欠かせないスマートフォンも、
100年以上も前の人はこんなものなくても生きてこれたのですから、
スマートフォンも生きていくだけでは必要ありません。
しかし、"よりよく"便利に過ごして聴くためには、
必要不可欠ですよね。
そんなかんじで、
生きることだけを考えると「使わない」
"よりよく"生きることを考えると、「使った方がいい」
だから、
「数学は使わなくても生きていけるのか?」
と聞かれると、
「うん。」
と答えますし、
「数学は使わなくても"よりよく"生きていけるのか?」
と聞かれると
「いいえ。」
と答えます。
"算数や数学の問題が解けるようになってほしい"
というよりかは、
"算数や数学を使うことができるようになってほしい"
というのが、私自身の子どもたちへの願いです。