見出し画像

Vol.14 探究学習をするってこと

 これってどうなるんだろうって思った時にどうしますか?…って、私のことを書いているので私の意見ですね。自分としては、「すぐに知りたい」タイプです。だから、探究って言えるほどのことができるかっていうとできないかもしれませんが、誰かが調べたものを調べるのは好きなので、授業で行うのは好きです。生徒の提出物をチェックしながら、「こんなことを考えているんだ」「これってこうなっているんだ」と成長と共に新たな発見をするのが好きです。
#生徒に乗っかってるだけ
 探究学習をどんなふうに行っていくかをまとめてみました


1.そもそも探究学習って?

 探究学習とは、生徒自らが課題を設定して、その解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動のことです。文科省からは、「探究学習」という形ではなく、「総合的な学習の時間(探究)の時間」と表されています。また、「探究学習」ではなく、「探究的な学習」ということで、ちょっと幅を持たせた?言い方となっています。
 また、生徒の思考力や判断力、表現力などの育成を目的としています。小学校や中学校では「総合的な学習の時間」の科目、高等学校では「総合的な探究の時間」などの科目において、探究的な学習として導入した授業が行われています。

2.探究的な学習におけるポイント

 もはや探究学習ではなく、探究的な学習とした方が良さそうなので、こちらで呼ばせていただきます。文科省から出ている「今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(中学校編)(令和4年3月)」の中では、探究的な授業となるための学習過程を次のようにしています。

1.【課題の設定】 体験活動などを通して,課題を設定し課題意識をもつ
2.【情報の収集】 必要な情報を取り出したり収集したりする
3.【整理・分析】 収集した情報を,整理したり分析したりして思考する
4.【まとめ・表現】気付きや発見,自分の考えなどをまとめ,判断し,表現する

今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(中学校編)(令和4年3月)

 これをみた時にふと思ったことは、普段の授業とあんまり変わらなくないっていうことです。例えば、中学校3年生の平方根において導入を考えてみると・・・ 

1.色々な面積の正方形を作ってみよう(正方形を書くという活動通して、今までの知識では1辺の長さが表せない正方形が出てくる)
2.実際に長さを測ってみたり、近い値が出せないか考えたりする
3.2で行った活動からわかったこと(正確な長さが出せないこと、黄金比についてや円周率のような数について)
4.平方根という名称に気付き、その有用性についてまとめる

 ちょっとざっくりだったかもしれませんが、授業の構成としては大体似た形になっていると思います。ただ、これだと探究と呼ぶには足りないのはわかっています。ここから、どうやって探究に持っていくかを考えてみたいと思います。

3.探究的な授業に向かっていこう

(1)課題の設定

 課題の興味深さが学びを左右します。予測可能性が重要です。 なぜなら、予測ができることは、自らの力で取り組めそうなサインであり、問題にポジティブな状態をもたらします。
 ○自分の力で取り組むことができそうってなっている
 ○問題を理解している(もしくは理解していない箇所がわかる)
 ○授業に参加している
 ○ある程度手立てを思い付いている
 探究する気が起きなくなってくる要因には、「わからなすぎる」があると思います。今回の平方根の問題は、とてもポピュラーで、正方形という中学校3年生段階ではほとんどの生徒が学んだことのある図形からということで、設定としては良問なのではないかと思います。

(2)情報の取集

 情報の収集が学びを魅力的に変えます。どのように情報を収集するか、楽しさを追求しましょう。
     
情報収集ができないという2つの側面をクリアする必要があります。
 1つ目の「できない」は、収集する能力がないという意味です。どう収集すれば良いのか、どこから考えれば良いのかがわからない状態です。(1)の課題の設定において、予想のできる問いであればここのハードルは低くなると思いますが、この「できない」も考えられます。
 2つ目の「できない」は、全く新しい単元(知識)で既習事項だけでは、なかなか取り組めない、もしくは収集を授業者が制限していることを指します。ここの加減は悩ましいところです。時間をかけるべきなのか、それとも、ここはサッと流していくのかの見極める力が必要です。
 この平方根についても、ある程度考えさせて「できない(今までの数の領域では表せない)」となったところで、平方根の考えを紹介しました。

(3)整理・分析

 情報が揃ったら、整理・分析のステップがより重要になります。自分なりのカテゴリー分けや整理方法で、学びをより深めましょう。
   
分類ごとに分けたり、自分なりにカテゴリー分けしたりすることになる。自分の頭の整理にもなります。また、分析によって出たことが本当に取り組んでいる課題に対する答えなのか吟味することにもなります。結構、授業だとここの整理・分析はできる子にやらせて、分析は授業者が言ってしまいがちなところです。
 この部分は、意識的に設定した方がいいです。

(4)まとめ・表現

 まとめ・表現は自分の言葉で大事にしましょう。しかし、忘れてはならないのは、「他者」。相手の視点を持ち、学びを表現することが魅力を引き立てます。
ポイントとしては、
   相手意識や目的意識を明確にしてまとめたり,表現したりすること
自分本位にならず、常に相手意識を持つことで自分自身をメタ認知することが非常に重要です。また、相手目線で行うことによって、フィードバックも得やすくなり、また、探究のサイクルを回すことができます。
 この平方根では、そこまで表現させてあげることができずに授業デザインとしてはイマイチでした。どうしても受験のための勉強となってしまいがちでした。

まとめ

 探究的な学習について、考えてみました。よくPBLが探究的な学習では取り上げられますが、「他者への」という意識が強いです。自分に対しての問いと解決を繰り返していく小さな探究ももっと考えていければ、みんな負担感なく全ての授業で探究的な学習ができて、自立した学習者になれるのになーと書きながら思いました。思っただけじゃなくて、形にしようとしなければ!
   最後に、これらのアイデアを実践してみてください。自分の学びを形にする一歩が、新たな発見への扉を開きます。皆さんもぜひ挑戦してみてください!読んでいただき、ありがとうございました。
長文を読んでいただきありがとうございました

#探究学習がすき

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集