望月千秋

自分の言葉を形に残すことが、今の私の趣味です。 随筆や、恋愛小説をを綴ります✎

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星降る夜

あの日の夜、君の部屋。南向きの窓。 そこから見上げた星が降る夜を私は今でも覚えている。 透き通るような冷たい空気だった。 私の心を、すうっと通り抜け、何もかも見透かされているようなそんな空気。 ーーーーーーー 君の父親は単身赴任で、お母さんは看護師で、君はお母さんと二人で暮らしていた。お母さんが夜勤で帰ってこない夜は、決まって私を家によんでくれた。高校生だった私は、家族には友達の家に泊まってくるとーー今思えばお決まり文句のような嘘をついてーー家を抜け出した。 君のため

    • 海の綺麗なところへ

      あれから2ヶ月すぎた今。 私は結局、愛を捨てることができなかった。 いまも彼と付き合っている。 別れそうになったり、別れたりして それでもいつでも、彼が全力で止める。 別れを言い出すのは彼の方が多いくせに本当に不思議な関係だと思う。 彼もまた母子家庭だった。 こんな偏見はよく無いけれども、母子家庭の息子の愛の確かめ方は独特だと思う。 自分から相手を突き放して、相手がどれだけ求めてくるかで愛を図ろうとしたり、 その場の感情で言葉をぶつけて、あとで後悔して謝ってきたり。 どれ

      • 深い深い深い愛

        私たちは深く深く愛し合っていた 深すぎて、お互いを求めすぎてしまったり、 制限してしまったり、依存していた。 わたしは幸せだったと思う。 もう誰も愛せないと思っていたけれども、 あなたという今までにないくらいの 深い愛に出会えたのだから。 辛くて、悲しくて、悔しくて、泣くことも多かったでも、それ以上に楽しかったり、愛していた。 そんな愛を終わらせたのは、この私。 1ミリも冷めてなんかない。 むしろ熱がさらに上がってしまった気がする。 毎日24時間笑ってるようでずっと泣

        • 友達に。

          きみは本当に真面目だ。 仕事とプライベート、公私混同してはいけない。 そんなの最初から分かってたのに。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー いつの間にこんな気持ちを持っていたのだろう。 君と話をすると不思議なくらい楽しいし、 笑いすぎてお腹痛いし、体は熱くなるし、 君は『笑いすぎて頬が痛い』って言うの。 それが嬉しくて、いつの間にかもっと笑わせたいって思っていた。 初めは、気になってた煙草のにおいもいつの間にか忘れていた。 仕事だっていうことも、君といると忘れか

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        星降る夜

          気になるひと

          もう、新しく好きな人を作ろうとするのは 諦めていた。 ただただ、仕事に明け暮れて、たまに先輩や友達とご飯して、ヨガをして、好きなものを買って、自分を楽しむ日々。 そんな時、仕事で出会ったボクシングジムの彼。 23歳という若さで父のジムを継いだよう。 第一印象は、『綺麗な顔』 話して思ったのは『俺様系男子…?』 正直反抗期の、小学校の頃の自分を思い出した。 私が資料を説明してる最中でも、彼は永遠と煙草を吸い、同席しているスタッフに 「俺のリップクリームとって。」 「俺の

          気になるひと

          肌寒い帰り道

          "もう、人を好きになることはできないのかな" 夕日の差し込む、揺れる電車の中 ガタゴト ガタゴト と私の心も揺れ動いてる 思い出すのは昨晩のこと。 男の人とご飯に行った。 やたら人の失恋話を聞きたがる人だった。 その男の人は、男性脳と女性脳の違いとか、 4年も付き合ってもわかりあえないとか、 僕はこうしたいとか、こんな事をしてたとか、 僕だったらこうしてあげれるとか ベラベラと永遠に語ってた。 正直、黙って欲しいと思った。 手を触ってきて、ネイル可愛いとか、 肌白いね、

          肌寒い帰り道

          別れとTokyo

          転職をきめた。 東京に引っ越す。 転職は、お仕事に白けが指してきたこともあるが 第一は、彼と別れるため。 いままでは感じる違和感や、寂しい気持ちに 目を瞑って誤魔化していたけれど、 これは私の人生であり、もう少し、 自分の心に素直に生きたいと思い決めた。   自分から振ったくせに、3日間毎晩のように泣いていた。 日中は涙を堪えるのに必死で、口を開けると話そうとすると、声は出せず、涙の方が先に出てきてしまうようであった。 誰かを振ったあと、必ずその直後は後悔して 自分の

          別れとTokyo

          2人でいるのに1人みたい。 あなたといる方が寂しさを感じる。 そう感じるのは、あの人との過去があるからなのかも知れない。

          2人でいるのに1人みたい。 あなたといる方が寂しさを感じる。 そう感じるのは、あの人との過去があるからなのかも知れない。

          六本木クラブ

          1月の2連休に、中目黒に住む親友、 『ゆっちゃん』に会いに行った。 ゆっちゃんはアーティストを目指しており、 その日もレッスンを終えて合流した。 1軒目は目黒川沿いにある肉バル屋さん。 ゆっちゃんが昔バイトをしていた場所である。 今ではもうゆっちゃんが知っているスタッフは 1人しかいないようで、少し寂しそうだった。 ゆっちゃんは、サングリアを頼むと 『あ!サングリアの味は変わってない!』 と笑みを浮かべて、私はなんだかほっとした。 2件目は、ゆっちゃんがよく行くワインの

          六本木クラブ

          みにシアター。

          年末、6日間の長期休暇。 地元、岩手に帰省した。 24年間の中で、1番あっけなく年を迎えた気がする 祖父の家で親戚で集まり食事はしたのだが、 今回は、従姉妹は高校受験、アメリカに移住など 予定が立て込んでおり、 集まったのは私の家族4人と、祖父、韓国の叔父さんの6人であった。 あけましておめでとうと言葉を交わすが、 なんとなく年々、その言葉の新鮮さが消えてきた お年玉もあげる側になったのもちょっと歯がゆい 元旦には、家族で映画館に行った。 商店街の通りを少し外れたと

          みにシアター。

          法事

          祖母の一周忌の法事は、クリスマスイブに行った 故郷にへと向かう新幹線。 うたた寝をして、ぼんやり目を覚ますと、 窓の外は、眩しいくらいに真っ白。 雪景色がひろがっていた。 お寺に着くと、祖父を取り囲むように、アメリカに住む大学生の従姉妹や、韓国在住の叔父さんが賑わい会話をしていた。また、地方に住む高校二年生の従姉妹が輪の少し外れたとこで寒そうに、スカートから出る足を震わせ立ち尽くしている。 久しぶりに親戚たちが遥々と、勢揃い。 来れなかった従兄弟もいたが10人で法事を行

          怒りからは何も生まれない。 結局、自分の気持ちを発散したいだけで 相手のことなんて、大切に思えてない。 愛情表現の仕方を間違ってるよ。 もう泣かせないって、 あの約束はどこにいったのかなぁ。

          怒りからは何も生まれない。 結局、自分の気持ちを発散したいだけで 相手のことなんて、大切に思えてない。 愛情表現の仕方を間違ってるよ。 もう泣かせないって、 あの約束はどこにいったのかなぁ。

          少年K

          恋人との将来が不安に思った時、 赤の異性(少年K)と会うといい。 初対面の相手との会話。 あの、気疲れしてしまう新鮮な空気。  出身は?部活は何してたの? この土地に来て何年?仕事は?趣味は? 冬はこたつ?エアコン? おうちでテレビは見る?音楽は? 相手を知るようで、自分を知るような会話。 そういえば私はこういう人間だったなと、 私はこう見えるんだと。 そう考えるとタイプなんだ。 こういう考え方は私はしないな。  相手との相違点を感じて、 長い時間を共にしてる 恋人の

          2日連続、元彼の夢を見た。 初めて付き合った人と、 初めて性交した人。 1人目と2人目の彼だ。 夢は不思議で、 1人目の彼と楽しく話している最中に 2人目の彼が来て、私に優しくキスをし、 私が、振り払おうとしても、永遠と誘ってくる。 そのうち1人目の彼が、見ないふりしていなくなってしまう。 そのあとは覚えてない。 想い出すことがある。 1人目の彼とは中学3年生のころ付き合った。 手を繋いだこともないけども、 友達の輪が一緒で、カラオケに行ったり、 映画を見たりしてい

          マレーシアより。

          マレーシアにいる、 高校時代のテニスのクラブチームの後輩から 早めのクリスマスプレゼントがとどいた。 アロマキャンドルと、バスソルトと本。 私がバスタブで、ゆっくり湯船に浸かり、 アロマキャンドルを灯して本を読んでることを そういえば、以前話したなと思い出した。 そんな私にぴったりすぎるプレゼントを送ってくれた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後輩とは、帰国してくるタイミングで、 夏か、冬の始まりに 年に一度会って食事をしている。 ボディービルダーを目指

          マレーシアより。

          キャンドル

          今日は新しいことが聞けた。 "過去の恋愛は話さないタイプなんだ。" 君は付き合った当初、そう言っていた。 経験人数とか、もちろん気になるところではあったけど、そう言われたらもう、何も聞けない私。そう。 とだけ言い残し、君の行きつけの居酒屋で梅酒をゴクリと喉に流し込んだ記憶がある。 あの居酒屋も、今はもうなくなり、私たちは随分長い時間をいつの間にか共に超えていたようだ。 仕事終わり、家の扉を開くと、懐かしい匂い。おかずの匂い。手作りの優しい匂い。 "おかえり、今日もお疲

          キャンドル