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友達に。

きみは本当に真面目だ。
仕事とプライベート、公私混同してはいけない。
そんなの最初から分かってたのに。
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いつの間にこんな気持ちを持っていたのだろう。
君と話をすると不思議なくらい楽しいし、
笑いすぎてお腹痛いし、体は熱くなるし、
君は『笑いすぎて頬が痛い』って言うの。
それが嬉しくて、いつの間にかもっと笑わせたいって思っていた。

初めは、気になってた煙草のにおいもいつの間にか忘れていた。
仕事だっていうことも、君といると忘れかけてた。
それくらい、君に会いに行くのが楽しみになっていた。
そんな、ある日君から
"今度よかったらご飯に行きませんか?"
と誘われた。

でも、私たちの仕事の関係は、プライベートでは仲良くしちゃいけない。だから私は一線を引いた。

"仕事のルールでプライベートでは会えないんです"
と伝えた。

君は潔く、私に謝罪し、
"今後は距離感を気をつける。
仕事での関係だけで付き合う。"
と言った。とても、悲しい寂しい言い方だった。
その時から、君は別れたカップルのように、心を閉ざし、どこか遠くへ行った気がした。

自分から突き放しておいて、私は心底沈んだ。
もうあんなに楽しくは話せないのか。
一緒に笑い合えないのか。
なんでいつもこうなの。
私は後悔した。
でも。
私が転職もしてまで東京に来た理由、
何をするために東京に来たのか考えた時、
私は、私の幸せのために。その幸せってなにかを探しに来たのだと思った。
それは仕事なの?安定した今のこの生活?
私は、もう少し自分の感覚を、自分を信じて
自分の幸せを、今を選びたいと思った。
後悔先に立たずとは言うけども、まだ君の気持ち
が1mmでも残っていることを祈って…決めた。
私はその時、仕事なんかどうでもいいと思えた。
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次の仕事のアポイントで君に私は、

"◯◯様がよろしければ、友達になりたいです。"

と伝えた。
君は驚いてたが、かつての笑顔で笑ってくれた。

それにつられて、私もまた笑っていた。


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