美味しいコーヒーは、最高の自己投資。
※この文章は、THE MIDFLOW coffee roastを開業する前に、masuocafeというコーヒー豆のオンラインショップを運営していた頃に書いたものです。
こんにちは。
オンライン自家焙煎コーヒーショップ masuocafe
焙煎士のますおかゆうすけです。
今日は、僕がコーヒーの焙煎を始めたキッカケのお話をしたいと思います。
そんなもん興味ないと思われるかもしれませんが(笑)、ちょっと大事なことなので真剣に書きたいと思います。
僕は、「コーヒーのある暮らし」や「ていねいな暮らし」ということをテーマに
Instagramに写真を掲載していますし、このブログにもことあるごとにそのようなことを書いています。
なぜ、そんなことを書くのか?
コーヒー・カフェ業界に限らず、インテリアや陶器、ファッションの世界でも
「じぶん時間」や「Slow Life(ゆっくりとした生き方)」が推奨されるなど
「生き方」や「暮らし」に注目されていますね。
僕もそういう流れの中で、いわば宣伝文句としてそういうことを謳っているのかと思われる方も
あるいはいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、僕には確固たる信念があり、そこに確実な意味が存在します。
「日々をていねいに暮らしていけば、人生はさらに充実したものになる。
誰もが毎日、生きやすくなる。もっと言えば、幸せを感じることができる。
その幸せはさらなる幸せを運んできてくれる。」
これが僕にとっての信念ですし、日々大切にしている生きていく上でのテーマです。
ですが、生きている環境がマイナスというか、ネガティヴなものになってしまっていたら、
こんなふうに幸せなんてことを考えるまでの距離が遠いので、非現実に思えてしまうかもしれません。
2020年の夏終わりの現在、コロナ渦の中でそういう方も多くいらっしゃるかのではないかと思います。
僕にも、そういう時期がありました。
30代前半のころ、いろんなことがうまくいっている時期がありました。
「自分すごいかも」と有頂天になりかけている時期です。
人生の教訓ですが、調子に乗って謙虚さを失えば、思いもがけない落とし穴にはまります。
多くの人を裏切り、大切な人たちを傷つけ、自分自身もとても苦しい時期を経験しました。
出口の見えない、一寸の光も見えない、暗闇の中を彷徨い続けていた数年間があります。
目の前のことをこなすだけで精一杯。将来のことなんて、考えられる余力もない状態でした。
30代前半、周囲の同世代の人たちは、企業で第一線に出始め活躍し始める時期に
僕は活躍するどころではない時期があったのです。
そんなとき、後先も考えず、アメリカに行ってみようと思いつきます。
この文章を読んでくださっている方も、突然のこの「アメリカ」の文字の登場の
何の脈絡もない感じに、「???」となってしまうかもしれません。
でも、あのときの僕にとってもまさにそんな感じでした。
貯金などあるはずもなく、なけなしの所持金しかなかった当時の僕ですが
唐突に、突然に、何の前触れもなく、アメリカに行こうと思ったのです。
半ば、強迫観念的に、行かないとダメだと思っていた記憶があります。
ここで動かないといつまで経っても何も変わらない。
まさに思考停止、無思考のまま、ただアメリカに行きたいという想いだけで
旅行会社を訪れた記憶があり、勢いだけで航空券とホテルを取ってしまいました。
行き先は、アメリカのシアトルとポートランド。
漠然と憧れのあった場所です。
そのときのことは、note
https://note.com/masuocafe
に旅行記を書いていますので、ご興味あれば見てやって下さい。
その後の流れは、端折りますが、オレゴン州ポートランドにて転機は訪れます。
「コーヒーロースターズ クーリエコーヒー」がその舞台です。
そこに座ってコーヒーを飲んでいると、次から次へと地元の人たちがその店を訪れます。
スタッフの男性と女性が、陽気にお客さんたちと会話を繰り広げています。
おしゃべりに夢中になって、コーヒーを淹れるスタッフの手が止まって
そのせいでお客さんは長蛇の列になっていました。でも、誰もそんなことが気にしていない。
コーヒーをオーダーする人も、オーダーを待っている人も、
コーヒーを飲んでいる人も、スタッフも、それぞれが自然体で
それぞれが好きなように好きな時間を過ごしているように見えました。
そのとき、初老の女性が、素敵な服装で颯爽と現れ、颯爽と棚に並ぶ売り物のコーヒー豆を
手に取り買って行きました。それがなんとも自然体で、かっこよかったのです。
「これいただくわ。」
「いつもありがとうね!」
そんな会話を交わして、店を去って行きました。
僕はその女性の後ろ姿を眺めながら、そして、店内の人たち、
スタッフの人たちを眺めながら、コーヒーに対する気持ちが変わっていきました。
コーヒーも、その場所にいる人たちも、そのすべてが
僕にとってとてもかっこよく映ったのです。
もともとコーヒーが好きで、その影響で旅先をシアトルとポートランドにしたのですが
その好きの形が変わりました。間違いなくあの瞬間です。
「生活に溶け込んだコーヒー」が、スタンダードなレベルでクオリティが高い。
クオリティが高いコーヒーが、クオリティの高い人たちを引き寄せている。
その逆も然りだと思います。
そこに僕は、大きな大きな憧れを抱いたのです。
「あの人たちみたいになりたい」
「コーヒーをあんなふうにかっこよく楽しみたい」
ただオシャレにかっこつけるためのツールではなく、もっと人生のクオリティを高めるためのものとして
コーヒーと関わりたい。
そう思うようになりました。
ポートランドでは、いろんな人気のロースタリーが点在しています。
スタンプタウンコーヒーもまたその代表格ですね。
僕は、そんなロースタリーで自分のために、コーヒー豆を買い漁って帰国しました。
帰国した次の日から、僕は、さらに早起きをするようになり
早朝からじっくりていねいにコーヒーを淹れるようになります。
アメリカ旅行する前まで、ただ息をすることだけで精一杯だった日々が
ポジティブに変わっていくのが、肌身でわかりました。
朝のコーヒー時間をこだわるようになると、
自然に他のことにもこだわるようになるのです。
なんとなく受け身でしていた様々な行動が
主体的に自分で選択をした上での行動に変わります。
たった一杯のコーヒーで日々の生活に張りが出て
自分の生活にリズムが生まれるのがわかりました。
「大事なことは継続すること。継続をするために気を使いすぎて使いすぎることはない。」とは
作家・村上春樹さんの言葉ですが
その言葉通り、僕はせっかく取り戻したリズムをもっと良くしていこうと意識し続けました。
そして、そのために、もっと美味しいコーヒーを淹れたいと思うようになって
コーヒーの焙煎を始めたのです。
そうなのです。僕のコーヒーの焙煎は、自分のために始めたのです。
生活のクオリティの高めていくためには、クオリティの高いコーヒーが必須であり不可欠です。
ポートランドで感じた僕の想いです。
そのまま焙煎にのめり込むことになり
今ではこの「masuocafe」まで構えることになり、多くの方にご愛顧頂くようになっています。
あの日のポートランドのコーヒーで僕の人生は一変したと言って過言ではないでしょう。
僕はただのコーヒー屋です。
お客さんは、ただコーヒー豆を求めてくださり、それをご提供するだけのことです。
でも、お客さんの中には、そんなふうに日々の暮らしのクオリティに意識を向けている方もおられるでしょう。
実際、masuocafeには素敵なお客さんが多いので、そう感じます。
人生はタフですから、いろんなことが起きます。
嬉しくて楽しいことばかりではありません。
でも、それでも僕たちは生きて行かなければなりませんから
荒波を乗り越えて生きていく上での武器、ツールは大事ですね。
僕は、そんなふうにコーヒーと向き合っているんです。
おおげさ?ですよね(笑)
あはは。
何が言いたかったのか、わからなくなっちゃったな・・・(苦笑)
生活のクオリティが高まると、自然と人生は充実します。
すると、さらに僕たちの、行動、思考、感情はさらに向上していきます。
そんなポジティブなスパイラルを生み出していきたい。
クオリティの高いコーヒーを手にすることは、最高の自己投資であると僕は考えているのです。
人生をもっと楽しみたい。
もっと面白く行きたい。
それが、masuocafeの誕生のきっかけであり、日々のテーマです。
僕もまだまだ始まったばかり!がんばっていきます!!