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読書記録#4(2022.11.28-12.4)

先週はあまり読書する時間を取れず1冊のみでした。

・パク・サンヨン「大都会の愛し方」(訳:オ・ヨンア)

恋愛がメインの本はあまり読まない方ですが、11月下旬にパク・サンヨンさんが来日してトークイベントをしたというのをSNSで知り、気になって読んでみました。

この話に出てくる人物はみんなどこか淋しい部分があって、ゲイの恋愛だけでなく、韓国社会や宗教、親子関係の事などが絡まりながら描かれているのですが、描き方と訳のおかげで重苦しくならずにに読めました。

人を描写する時に出てくるかわいい表現、クラブで流れる音楽や地名などから頭の中に映像が広がってきて、それもページを読み進めたくなるポイントだったと思います。

二人が何となく別れに近づいているような雰囲気が出て、当人たちもそれを何となくわかっていながら過ごしていく感じがたまらなくせつなかったです。

感情の起伏で疲れて、ケンカをしてみっともない姿を晒して、恋愛は壊れやすいし面倒くさいから大変だけど、だからこそ面白いんですよね。その只中にいる当人は勿論苦しくて大変なのですが。

今はもう恋愛と言う気持ちをどこにしまったのかさえわからない私ですが、若い頃はバーやクラブでお酒を飲んで、みんなで何だかわけもなく盛り上がっているのが楽しかった事を思い出しました。

もしかしたらあれは時々襲ってくる言い知れぬ不安や淋しい気持ちを、音楽やアルコール、誰かとの会話、時々セックスで満たしていたのかもしれません。

「メバル一切れ宇宙の味」(このタイトル素敵すぎる)で兄貴との話を読んでいたら、年上だった彼と死別した事を思い出しました。HIVから発症して旅立った彼の事を。

どうしてあの時ケンカをしたのだろう、そんな事にならなければ彼と一緒に過ごしていたかもしれない、もし何かが原因で別れてしまっても亡くなる事はなかったかもしれない、そう思う事もありました。でも時は戻らないんですよね。

だから人を好きになったら、その時にできる事をなるべくして、言う事はしっかり伝えた方が良いです。どんなにその時に良い選択をしても後悔する事はたくさんありますが、それでも自分の心で決める事をしていくのが大切だと思いました。

あと「財布とパソコンの中は見ない方がいいよ、不安材料が増えるだけだから」と本の中に入って伝えてあげたくなりました。

と、上のような指摘をしたら自己中オヤジと言われるので注意しなければ。

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