東京都に隠れている地中海への冒険。新島村とシチリア島の奇跡の出会い!
シチリア島。地中海の青い空の下、古代ローマの遺跡が点在して、豊かな自然と歴史が織りなすイタリア南部の島。そして、新島村。伊豆諸島に属する島で、東京からわずか1時間半の距離にある、どこか懐かしい日本の風景が広がる島。
白い砂浜をしばらく歩くと、空と海の地平線がわからなくなる新島村。目を閉じて爽やかな風を受けて自然の一部になる。飴のような可愛い形とサイズの船が見えて、乗組員はどこに向かっているのだろうと、ふと思ってしまう。どこを見ても冒険が始まりそうだ。
何の共通点もないように思えるシチリア島と新島が、ある日、食を通じて奇跡的な出会いを果たした。新島村でしか取れない食材を活かして、8月限定でイタリアンに生まれ変わるのだ。見た目はいつものイタリア料理だが、口にすると今まで体験したことがない美食の旅が始まる。
両島を楽しめる場所は、船に乗らずに行けるイータリー全店舗にある。
「食べたいなあ!」「食べに行こうかな?」と迷っている人に言いたいのは、いつもと違って日本の夏を感じながら「新島村とイタリアのコラボレーション」のアモーレがたっぷり含まれている特別な体験ができること。
新島らしい夏の旬を料理に使うだけで、食事中に真夏日の眩しさと波の音まで感じられる。高級感より特別感が強くて、今すぐにでも新島村に行きたくなる。
アペリティーボ(食前酒)や前菜にぴったりのアンティパストミストから海の幸「アカイカ」のフリット(揚げ)、明日葉(あしたば)を練りこんだタリアテッレ(フレッシュトマト入りヴォンゴレ)。「明日葉」という言葉を初めて聞いて、意味は何だろう?と思ったときに、なんと新島村の村長が教えてくれた。
「明日葉は今日切っても明日には生えてくる」
要するに、成長が早いことだ!日本語はつくづく面白い。言葉の意味を知って食べたタリアテッレは、より心から味わえた。
アンティパストミスト(前菜)では新島村の野菜を使ったカポナータ、新島村のサラミにイタリアのチーズ、コロッケ、生ハム。皿一枚に様々な地域の食材を使ってイタリア料理としても日本料理としても楽しめる絶品だ。
ドンナフガータというシチリアワインと組み合わせて、食の冒険が始まる。新島のアペリティーボセットもあって、魅力たっぷりな料理とイタリアの食文化ばかりだ。
スイーツに目がない人はなんと新島産「しおさいの塩」を使ったジェラート、カンノーリ、マリトッツォも用意してあるから、感動的なおやつタイムになるだろう。
しおさいの塩で作られているローマのマリトッツォとシチリアのカンノーリは新島村バージョンになっていて目が覚めた。塩をここまで活かしている日本人に感動した。夏にぴったりの味だ。
参考までにリンクを貼っておくね。
この料理は、単に食材を組み合わせただけのものではない。そこには、新島村の自然に対する深い愛情と、イタリア料理への熱い情熱が込められている。新島村の魅力は、美味しい食材だけではない。美しいビーチや、豊かな自然、そして温かい人々との出会い。都会の喧騒を離れて、ゆっくりと時間を過ごしたい人にぴったりの場所だ。
料理以外のもう一つの共通点は、新島とシチリア州リパリ島でしか採れないと言われているコーガ石(抗火石)という火成岩(マグマが冷えて固まった岩石)だ。世界中に、「リパリ島と新島だけ」と聞くと、運命の愛のように感じる。
それから、イータリーとのコラボ期間中に前菜皿として新島ガラスの器を使用するそう。そしてコラボ後にそのお皿は新島に帰るようだ。お皿は海を渡ってやってきて、役目を終えたら帰っていく。まるで、新島村の魅力を精一杯伝えるために闘いにきた戦士のようだ。この戦いに僕は完敗してしまったから、今度は新島村に行って、リベンジしたいと思う。
今回はイタリア文化研究家として参加しただけではなく、最後にコメントも言わせていただいた。見た目はイタリア料理に見えるけど、食べてみると日本の食文化を感じる。新島村の食材と伝統を生かしてイタリア人まで満足させられることは相当なコラボレーションだ。
さあ、新島へ!その次は、シチリア島だ!
今年の夏は、イータリーで、地中海と伊豆諸島の奇跡の出会いを楽しんでみませんか?きっと、最高の夏になる。
Massi