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Aiが置き換わることのできない領域
フロイトが言うように性的欲求がリビドーとして無意識の領域から意識の領域に湧き上がってくるだけでなく、リベットの実験によれば全ての行動を促すエネルギーが無意識から湧き上がって来る。フロイトから分かれて目的論を展開したアドラーも、目的は意識の深いところから湧き上がって来ると考えていた。
無意識を探索する対象として、フロイトは夢を選び、ユングも、ミンデルも、それに倣った。さらに、ミンデルやジェンドリンは、身体感覚を対象とした。微かな身体感覚を言語に表現することは難しい。このような感覚の領域は、からだともこころとも区別の付かない領域と河合隼雄さんが指した領域に近いのではないか。
また、経験の蓄積によって形成される直観であれ、霊的なインスピレーションとしての直感であれ、これらいずれも無意識領域から上がって来る。
意識領域での論理的演算はAiに置き換えることができる。これに対して、無意識領域は、Aiには届かない領域だろうか。うん。直観は、置き換えられるかも知れないね。藤井聡太さんに聞いたら、どんな感想を話してくれるだろう。