48.この世界の愛しかた
悲しみの数だけ
涙があると思っていた
あるいは
振り切った悲しみは
涙を流さないことだってある
普通に生きていて
何がいけないって言うんだろう
日焼け止めでも
守りきれないこと
蒸し返すつもりはないんだけど
あの時は確かに
悲しみの数だけ
涙があると思っていた
あるいは
振り切った悲しみは
涙を流さないことだってあることを
知るのは更に先のこと
漸く見つかった本に書いてあったことは
「この世界の愛しかた」ではなかった
生きるには強さが必要だ
いくら流しても
理不尽は止め処無い
だから悲しみの数だけ
言葉を振り回せばいい