バラのアーチを作る(2)材料調達~整備
僕の母の父親の笹川三作さんは市会議員であった。不動産の取引を多くした。小学校の前の道を作るために土地の買収を進めようとして売らない地主を殺そうと家に押し入ろうとしたことも有ったという。今からは考えられない時代である。当然、不動産取引主任などという資格もない時代である。
地域のボスとコネの中で人々は生きていた(今でも大差ないが)。裁判などではなく地域の揉め事は地域でケリを付けていたのだ。そのコミュニティので逸脱した乱暴者を刑務所に送ることは自分たちのコミュニティの弱体化も招いたのだ。だから犯罪の発生した関係は修復するものであったのだ。今の時代の目で見ては野蛮だと感じるだけであろうが、そこには合理的な理由があったのだ。
Kさんの父親は、駅の近くに農地を沢山もっていた。たくさん三作さんに売という。その時代よりあと、農業がそれ自体で家業として成り立たなくなる。僕の小さい頃「専業農家」「兼業農家」という農家の分類が出来たような気がする。
まるで農家が悪いような教え方だったと思う。大規模農家こそが新しい時代の農業なのだと言わんばかりであった。
それって、結局は江戸時代の「大地主」と「水呑百姓」の時代に戻るということなのだ。無論、効率性を求めることは悪いことではない。しかし、「水呑百姓」を見捨てるような事は良くない。絶望した水呑み百姓はテロを働き、一揆が起こる。社会が崩壊する他にリセットの方法はない。
「投資家と経営者」そして「管理者」と「時給で働く人」この3つの階層はいつの時代でも存在している。
しかし、今の時代ほど「レンジ」が長いことはなかった。ぼくが商品をネットで買った金額の一部がペゾスさんを豊かにする。そして、彼の得た利益は僕には帰ってこない。
そもそも、「商売=経済」というのは「循環」することで成り立っているべきだと考える。共に貧しかった時代から、一部を貧しさに突き落とす時代に変化したのだ。格差がこれほど大きい時代はなかった。そして自己責任と本人自身も信じ込んでいるところが問題である。
時給で働き、年金も足りない。断捨離という破産を強いられて施設で孤独に死ぬのはあまり嬉しくない。しかし、私達の多くはそういう運命である。
自分の未来を覗いてみたほうが良い。あまりいい風景は見えないと思うが。
Kさんは農業を継ぐことはなく庭師さんになった。ビニールハウスの資材や様々な道具が今も残っている。今回頂いたのは、その資材の一部である。
頂いた部材の整備
ビニールハウスのパイプを直角にジョイントする金具が沢山あった。枯葉に埋もれているところを見ればほぼ使われていない事がわかる。
枯葉から選り分けた。
同じ種類で分類した。一番右のジョイントが今回使うパイプにあう。どうも僕はこういう感じに物が並んでいるのだ好きだ。精神病の類型の一つにあったような気がする。精神病って結局は「多種多様な精神」を分類してレッテルを貼っただけである。
だから誰にでも病名は付くし、昨今ではよく効く薬が「その人の心」を脳みその中に閉じ込めてくれる。権力(他人を働かせて利を得ようとする卑怯者)はいつの時代でも、奴隷の「心」を恐れる。パワハラやセクハラの源泉である。
こちらは、留め具。ジョイントと合わせて使う。春のこの時期は山道を行くと農家がハウス栽培や畑を耕している。僕は大好きだ。新しいハウスが建っているのを見ると嬉しくなってしまう。
それでも、彼らは工場に行き時給で働かなければ生きていけない。遠くの知らないところの野菜より、地元で作っている人のものを食べたいものである。10年前くらいまでは、農家の方が野菜を売りに来てくれたり、道端でトマトを売っていたものだ。もう、あのおばあちゃんたちも居なくなったのだろうなあ。
種類ごとにビニール袋に戻して潤滑剤を吹き付けた。また使う機会があると良いと思う。
こちらはお借りしたサンダー鉄を切るのに使う。こういうメカニックには弱い。工場にいる頃使っているのを見たことは有るが、使ったことはなかった。危険なものである。
なんか整理がついた。今あるジョイントでは5本しか横に繋げないので、少し買い足す必要があるだろう。
細い鉄パイプを買って数年前に上に伸びるよ王に組んだのだが、やはり素人仕事である。
地面に固定する方法もあまり美しくない。一回これは壊さないと駄目のようだ。
根本には石を積んで、土をもっていた。
もう錆びておるが、これは致し方ない。
こちらの方から反対側にアーチを立てるほうが良いような気がした。
毎日、庭の緑が鮮やかになっていく。お客さんの月次更新で週末は修羅場になる、つかの間の平穏であろうか。バラの支柱を使ってサギ対策をすることにした。5月の上旬に一気にやってしまおう。
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