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幸運な病のレシピ:愛しの春巻き
春巻きが好きだ。パリッとした皮に包まれた美味しい春雨と季節の具材が素晴らしい。
冷蔵庫に春巻の皮が入っていた。仕入れは妻の役割である。食べたいものが在ると材料が入っている。手羽先が入って入れば、ネキ巻、豚バラブロックなら酢豚、アサバカレイ(1枚100円)ならば唐揚げ、鶏モモならば網焼き、うちのメニューは仕入れで決まる。
タケノコが美味しいので、春雨と炒めて具をつくった。
市販の冷凍春巻きは、具材がモッタリとしていることが多い。じゃがいもやエビチリと銘打つが、満足する味ではない。
もちろん高級料亭ならばそれなりの味では有るが、具材が高級すぎたりすると嬉しくない。
海鮮と合わせることも多いが、今日は挽き肉だけで味をつけた。甜麺醤と豆板醤に紹興酒が嬉しい。
春巻きは手順が長い。揚げ物は、鍋を休めないようにするのが大事。とにかく料理は手順である。
多くのレシピ情報は一品の材料が有るところから始まり皿に盛り付けて終わる。僕のレシピは、毎日食事を作りつづけるための決意なのだ。
実際に毎日料理を作るには、理科の実験のようなマニュアルでは駄目だ。毎日食材は変わるし、食べたいものも家族バラバラだ。スーパーで弁当選ぶようなわけには行かない。
僕は毎食、素材から料理を作らないと死んでしまう糖尿病という病気なので、料理作りが命と同じなのだ。数品作るには、全部準備が整ってから作り始めるわけには行かない。走りながら準備するのだ。
この手順は、ゴールの料理の数によって変わる。まさに動的なプロジェクト管理なのである。そして時間は限られている。後片付けもしなければならない。合間に仕事もする。
また、料理の途中でメンバーが増えることも有る。時間つなぎにコロッケを揚げることにしたが、意外と良かった。つくっている途中で別なものを作り出すことも有る。今日はエビフライもスタンバっていたが時間がなくて止めた(笑)。
今日は妻のパートの日である。僕の稼ぎが足りないために夜遅くまでの仕事の日である。せめて、出来合いではない美味しいものを食べてもらいたい。
出かける前に、二人で食べた。美味しく出来たねと褒められた。食べ終わったら、彼女はごちそうさまと言ってくれた。
食事はただ料理を食べるだけのものではない
長く妻とはいがみ合っていた、何度も離婚を考えたし、機会あればなきものにしようとさえ思った。3年くらい前は、完全に僕の料理は口に合わないと言って自分で別に作り、結婚と言ってもルームシェアなのだから、きれいに使ってねと言われた。その後帰ってきた娘も勝手にパスタやカップめんを作る。僕の食事は食べようとしない。
それでも、僕は父のために毎日料理を作っていた。父の介護に関しては妻も文句を言わないで一緒にしてくれた。父の前では僕もあまりおかしくならなかった。徐々に僕の料理を食べてくれるようになった。
父がなくなり、僕は作り続けた。妻は食べてくれ、娘もそれに習う。まだ縁が切れていなかったのだ。時折「あんたがいないと何食べていいのかわからない」と母の口真似をして僕を泣かせようとする。
食事とは、単に栄養素を食べるということではない。共に生きる決意なのだ。お店に言って選んで帰ってくるのもたまには良いだろうし、僕も買うことが有る。何よりも酒は作れない。
けどね、家庭というのは、ただ弁当買ってきて一緒に食べるだけのところではない。健康に生きピンピンコロリと死ぬためには素材を大事にした料理を杖受けなければならないのだ。
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ヨモギが干し上がった。今年は母と父の作っていた笹団子をつくってみようと思う。妻を誘ってみようと思う。
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