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コンサルの私が飲食業界に参入する理由

2019年4月に野村證券を辞めて㈱食農夢創を起業した仲野真人です。起業5年目の昨年、2023年10月30日に㈱CRAFTED JAPANを設立して新たに飲食業界へ参入することにしました。

なぜ、農林漁業分野で生産者支援をしていた私が、今になって飲食業界に参入することになったのか。本稿ではその背景や想いについて述べてさせていただきます。


そもそも食農夢創って何の会社?

食と農林漁業を繋ぐコンサル会社

まず、前段階として㈱食農夢創がどういう会社なのかについて説明していきます。

食農夢創という社名自体が特徴的ですが「農林漁業を夢のある食産業に創造する」というミッションをそのまま会社名にしており、農林漁業分野で食と農林漁業を繋ぐ活動をする「何でも屋」なのですが、業種で言えば「専門サービス業」、いわゆるコンサルティングに属すると考えています。

食農夢創の主な事業内容については以下になります。

・農林漁業者の経営支援
・ビジネスマッチング
・農林漁業分野の調査
・コンサルティング
・セミナー講師
・コーディネーター、ファシリテーター

食農夢創HP「サービス内容」より

※参考:食農夢創の活動を紹介した過去のnote

強みは全国の農林漁業者とのネットワーク

農林漁業分野のコンサルティングを行う会社は大小含めて結構ありますが、数あるコンサルティングの中でも食農夢創の強みと言えば「全国の農林漁業者とのネットワーク」になります。

私は、野村證券㈱に入社し7年間支店にて証券営業を経験した後、2011年からグループ会社の野村アグリプランニング&アドバイザリー㈱(NAPA)にて農林漁業分野の調査・コンサルティングに従事しました。

NAPAでは6次産業化や地産地消、輸出等の全国津々浦々を回りながら優良事例調査を行い、また、証券時代の営業スキルを活かして全国の農林漁業者や2次・3次事業者とのネットワークを構築してきました。※食農夢創ネットワーク参照

また、ネットワークを新たしい交流やビジネスを生み出す「場」とするために「食と農林漁業を繋ぐ交流会(通称DREAM会)」を定期的に開催。直近では2023年12月13日に開催した大忘年では北海道から沖縄まで全国各地から135名の食と農林漁業関係者が集まるなど、数えきれない程の出会いを生み出してきた自負もあります。

食と農林漁業を繋ぐDREAM大忘年会2023

マッチングで感じたコンサルの限界

これまでに数多くのマッチングを実施

2019年に起業して以降、食農夢創では「農林漁業の販路開拓支援」と「2次・3次事業者からの依頼」の双方向でのマッチングを数多く実施してきました。※下記はマッチング事例の一部

・イヨスイ㈱×㈱APホールディングス×オイシックス・ラ・大地㈱

・㈲サンファーム×㈱HITOKUCHI

・鹿児島堀口製茶㈲/和香園×㈱恵那川上屋

マッチングはできても決定権がない

農林漁業者と2次・3次事業者をマッチングしたことによって新たな商品や商流が生まれることはコンサルにとっても嬉しいことであり、やりがいを感じています。

しかし、当然ながら全てのマッチングが成功するわけではありません。むしろ、マッチングしても上手くいかないことの方が多いのが現状です。

・バイヤーに生産者や商品の魅力がうまく伝わらない
・取引が始まっても商品が売れない(販促にまで繋げられない)
・生産者のフォロー不足によって取引が打ち切られてしまう
・異動により後任との関係が希薄になって取引がなくなってしまう

食農夢創(仲野)の経験より

つまり、コンサルはマッチングすることができても、その商品を取り扱うかどうかの決定権はなく、言葉を濁さずに言えば、最終的な判断は「他人任せ」になってしまうことに歯がゆさを感じてしました。

その想いが積りに積り、「だったら自分で販路まで作りたい!」と一年発起して㈱CRAFTED JAPANを設立しました。

なぜ「飲食」でなければならなかったのか?

ここで皆さんが疑問に思うのが「なぜ飲食業界なのか?」という点ではないでしょうか?実際に「飲食は大変だから、まずはネット販売(EC)か物販から始めたらどうか?」というアドバイスも数多くいただきました。

しかし、私が「飲食」にこだわった理由があります。それは「一番美味しい状態で農林水産物を消費者に提供したい」ということです。「美味しい状態」とはどういうことか?私は2011年に農林漁業分野に飛び込んでから6次産業化分野にずっと携わってきました。

6次産業化とは、農林漁業について、生産だけでなく加工・流通・販売等も統合的に取り扱うことで、事業の付加価値を高める経営形態。
1次×2次×3次(1次+2次+3次)=6次産業化

食農夢創の6次産業化の定義

私が全国各地を回ってきた中で、農林水産物そのものとしてではなく、ご当地グルメ(料理)や絶品スイーツとして地元で人気になっている商品が沢山あります。その商品を一番美味しい状態で消費者に届けれられるのが「飲食」だったのです。

CRAFTED JAPANで実現したいこと

生産者と新しい飲食業態を共創したい

㈱CRAFTED JAPANは「全国にあるCRAFTED食材を生産者の想いと共に世界に発信する」という経営理念の基、2023年10月30日に設立しました。
CRAFTEDとは「洗練された、想いのこもった」といういう意味があり、まさに私の仲間たちの食材にピッタリだと思っています。

CRAFTED JAPANのロゴデザイン

スタート直後は私一人の資本でしたが、私の実現したい夢に共感いただき、2024年2月29日に仲間の生産者3名も含めて4名に出資をしてもらい、私を含めて計5名の株主に増えました。

もう一点加えると、すでに私の株式保有率は50%未満となっています。スタートアップに関わる方々からしたらありえない選択かと思うかもしれません。でもCRAFTED JAPANは私が単に儲けるための会社ではなく「農林漁業者の販路の課題を解決したい」との想いで設立しました。

全国の農林漁業者の皆様をはじめ、これまで付き合ってくださってきた食農関係者の仲間達と一緒に未来を作っていく。それこそが私の目指す「共創資本主義」になのです。

第1号店「鮨 惠万」が6月1日にオープン!

CRAFTED JAPANの第1号店は寿司業態となり、6月1日にJR山手線「田町駅」徒歩3分、地下鉄「三田駅」徒歩1分の新築ビル1階に「鮨 惠万」を出店します!読み方は「EVAN(エヴァン)」になります。

「鮨 惠万」はCRAFTED JAPANの想いも込めています

「なぜ寿司なのか?」と思われる方は多いと思いますが、様々な物件や業態を模索する中でいただいたご縁としか言いようがありません。
ただ、小学校の卒業アルバムに書いた将来の夢が「寿司屋」だったことには運命を感じています。

「鮨 惠万」では水産物だけでなくシャリ(米)、野菜、茶、酒など、全国の仲間(食農夢創ネットワーク)の食材・商品も取り扱っていきます!
そして、「寿司」という日本を代表する食文化を通して、全国の水産物の価値と漁師の想いを伝えることを目指します!!

また、オープンに向けて5月8日からスタートしたクラウドファンディングでは開始10日で応援購入総額1,000万円を達成しました!
購入いただいたサポーターの皆様には感謝しかありませんが、その一方でプッシャーもひしひしと感じております。

目指すは生産者と消費者の交流の「場」の創出

最後に、生産者の販路の課題を解決するためには1店舗だけでは足りません。後は寿司店だけでなく、カフェやレストラン、テイクアウト店へと業態を広げていきます。

そして、飲食店というツールを通して「生産者と消費者の交流の場」を創出し、ただ生産者の想い・ストーリーを伝えるのではなく、生産者と消費者が双方向で交流できる仕組みを作っていきたいと考えています。

交流の「場」の創出のためにやりたいこと
  ● 店舗を活用した生産者と消費者の交流イベント
  ● 産地・生産者(酒蔵含む)を訪問する産地ツアー
  ● 生産者と消費者が交流できるコミュニティ・オンラインサロンの運営

農林漁業の世界に飛び込んで14年経った今、㈱CRAFTED JAPANを設立して飲食業界に参入しましたが、あくまで私の軸は農林漁業および生産者であることはこれからも変わることはありません。

「農林漁業を夢のある食産業に創造する」ことを実現するために、食農夢創での「生産側の支援」とCRAFTED JAPANでの「販売側の支援」の両輪から盛り上げていきます!
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます!!

「鮨 惠万」で提供する全国の生産者のCRAFTED食材を使用した「焼き八寸」

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仲野真人
「農林漁業を夢のある食産業へ創造する」というミッションを実現するために活動を続けております!何卒よろしくお願い申し上げますm(_ _)m