ワイドパンツ時代のトラックパンツと足長効果1
前回は、クワイエット・ブロークコアについてを述べました。
今回、前回で述べなかったことを少し述べます。
それは、ワイドパンツ時代の足長効果、です。
センタークリースのトラックパンツ
前回、トラックパンツを2つ取り上げました。
ブランドロゴとブランドアイコンが、両方とも、黒地に黒であることを示すためです。
(pumaのT7は、青い縫製の間が黒です。)
前回、推敲していて削ったことがあります。
それは、センタークリースの縫製があること。
センタークリースとは、足の真ん中にある折り目のことです。両方とも、腰から足首まで縫製してあったのです。
(厳密には縫製なのでセンターシームです。)
普通のジャージの場合、センタークリースなんてありません。
ジャージはスラックスではありませんからね。
しかしながら、今回取り上げたものには、両方にセンタークリースがありました。
何故でしょうか。
その理由の一つとして挙げたいのが、足長効果。
特に、ワイドパンツ時代における足長効果です。
世はまさに大ワイドパンツ時代
世はまさに大ワイドパンツ時代!
ワイドパンツは、マストレンドとしてかなり長く続いています。
マストレンドは、オシャレ星人でない人間にも、大なり小なりの影響があります。
オシャレ星人は、ブーツカットのフレアワイドに移行し始めてはいますが、足首はワイドです。
スキニーデニムが死に絶えたわけではないです。
けれども、下火であるのは確かです。
そんなマストレンドは、どんな服にも押し寄せ、トラックパンツも例外では無いのです。
ワイドパンツ時代のトラックパンツ
そんなワイドパンツ時代のトラックパンツには、幾つかの特徴が見られます。
その一つが、サイズとサイズ感です。
タイトなサイズは減少しています。
普通のサイズが増加したわけではないのですが、普通もワイドも展開するメーカーがあることで、増加したように感じられます。
トラックパンツは、元々がトレーニングウェアであるため、伸縮性の高いものが多いです。
タイトなサイズにしても問題はありません。
実際、チームジャージには、アップで着るためのタイトなものもあるのですから。
けれども、多く市販されるジャージは、移動着を兼ねられるように、そこまでタイトなサイズではありません。
ワイドパンツ時代には、チームジャージよりも、普通のサイズのジャージのほうに消費者の需要がある側面もあります。
スキニー時代には、タイトなサイズのジャージに需要があったように、逆もあるのです。
ワイドパンツ時代の足長効果
ここで、センタークリースの話に戻ってきます。
ワイドパンツ時代だからこそ、トラックパンツにセンタークリースがあるのだと。
こう考えると辻褄が合ってきます。
トラックパンツは、メーカーにチームジャージのノウハウがあります。
ゆえに、スキニーデニムのようにタイトにして、細長い足長効果を出すのは容易です。
けれども、ワイドパンツ時代では、太いけれども足長効果があるトラックパンツに需要がある。
そのためのセンタークリースです。
縦長に見せるための縦線になるのです。
細長いと縦長に見える。
縦線があると縦長に見える。
ワイドなトラックパンツのセンタークリースは、後者を用いた足長効果を狙うものです。
センタークリースの密かな流行り
センタークリースは密かに流行っています。
オシャレ星人が、「キレイめトラックパンツ」と述べるため、わかりにくいですが。
トラックパンツに限った話ではありません。
「キレイめデニム」も。
「キレイめカーゴ」も。
センタークリースのあるものに用いられることが多いです。
オシャレ星人のオシャレ星語は難しいですね。
オシャレ星人は、センタークリースの無いものも売らないといけないので、敢えて言っていないのかもしれません。
「キレイめ」という、オシャレ星語で通じるからかもしれません。
オシャレ星人でない凡人は、センタークリースがあるかないか、に注目してください。
「スラックス見えする、なんたらパンツ」とは、概ねセンタークリースがあるものです。
トラックパンツに限った話ではなく、そうなっていることが多いです。
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前回についてはこちら。