見出し画像

【2024年10月】最近読んだ本のご紹介

早いもので、もう今年もあと2か月とちょっとですね。

今年は50冊ぐらいは読めるといいなと思ってスタートしましたが、どうやら60冊ぐらいのペースで読んでいます。順調です笑
本当に本を読むのがが好きなんだなと思う今日この頃です。

それでは今月は最近読んだ本を4冊ご紹介します。


📖中島岳志 『思いがけず利他』 ミシマ社

🔖心に残った一節
だから、利他的であろうとして、特別なことを行う必要はありません。毎日を精一杯生きることです。

いつか読むだろうと積読してあった本書。『「利他」とは何か』を読んだ流れで、ようやく手に取りました。

そして、感想をまとめるのに苦労しております😓

とても読みやすく、納得感のある、学びの深い一冊。
話題になっていただけあるなと感じます。

利他とは思いがけないものであり、意識してもしょうがないものである。
だからどうしようもない自分を受け入れ、一生懸命自分を生きるのである。

隙のないストーリー。

それこそお釈迦様の説教を聞いたような感覚です。

(私もですが)利他が気になっている人は、一体何を求めているんでしょう?

世の中は利己心に溢れている、もっと利他的な社会になったほうがよい。
その気持ちで利他関連の本を読むと、利他を意識した行為はそもそも本質的に利他的ではないことに気づく。
だから自分を一生懸命生きなさいと説かれる。

うーむ、堂々巡り感がありますね。。。

なんかこう、もっと社会を外れるような破天荒な何かを、この重苦しい社会を突き破る何かを、贈与や利他に求めているのかもしれないなと感じております。

これがいま書ける感想の限界です😅

📖岩内章太郎 『〈私〉を取り戻す哲学』 講談社現代新書

🔖心に残った一節
ところで、どうして私たちは、こんなにもサイバースペースにのめり込んでしまうんだろうか。第一章で論じたように、その大きな理由の一つは、サイバースペースが「退屈」を打ち消すための動物化と善への意志を準備しているからである。

岩内さんの『〈普遍性〉をつくる哲学』に敗北感を味わったこともあり、新書ならさすがにもう少し歩み寄れるだろうと、今度はこちらを手に取ってみました。

帯にあるように、なぜスマホを見続けてしまうのか、と私は日々スマホを長々とスクロールした後に自分が嫌になっております。

なぜスマホを見続けてしまうのか、それはタイトルからも想起させるように、自分(つまり、〈私〉)がないからです。

いやいや、待って、私は〈私〉があると思ってるんだけど…。

そんな気持ちで読み進めていくと、どうやらタイトルにある〈私〉は、私がまだたどり着けていない〈私〉かもしれないと思うようになりました。

自分自身、退屈を防ぐためにスマホを使う時と、自分はそれなりにいいことやってるよねという「善の確認」の意味でスマホを使ってる時があるような気がします。

「ついスマホを見ちゃう」には、その2つが入り混じった蟻地獄が潜んでいます。

特に厄介なのが、「善の確認」の方で、つまり、自分をさらけ出して、周囲に自らの行いを確認してもらわないと、この社会に存在していられないような不安がそこにあるのです。

もっと自分を自分で承認してあげる、そして、その自分で他者を承認する、他者から承認してもらう、スマホを介さずにその一連の相互承認ができると、自然とスマホとも適度な距離感で付き合えるのかもしれないなと改めて実感しました。

それが読書会や対話会をやる意味だと感じました。

さて、そんなことをインスタに投稿している自分は、少しは〈私〉を取り戻せているんだろうか?よくわかりません😅

📖末盛千枝子 『「私」を受け容れて生きる 父と母の娘』 新潮社

🔖心に残った一節
読書には、人間を作る「根っこ」と喜びに向かって伸びようとする「翼」があり、ご自身が、外に内に橋をかけ、自分の世界を少しずつ広げながら育っていくときに大きな助けとなった、と日本の神話にも触れてお話になられた。本当に素晴らしい講演だった。
(皇后美智子様の講演について)

ふだん私が手に取らないような自伝的エッセイ。読書仲間からの紹介で手に取りました。

著者末盛千枝子さんは、彫刻家の父を持ち、国内外問わず、児童図書・絵本の普及に尽力された方です。そして、児童図書の国際団体での、皇后美智子さま(当時)の講演をほぼ二人三脚で支援された功績は、日本の誇りとも言えるのではないでしょうか。

とにかく末盛さんの周りには、素晴らしい人格者の方々が集まってきます。彼女の人生に影響を与えた人、一人ひとりを丁寧に綴る著者の自分をまっすぐ受け容れた在り方が、素敵な人を引き寄せるのでしょう。

その中でも、皇后美智子さまのエピソードは一読の価値ありです。

心に残った一節に挙げた文章は、私がこれまで触れた読書に対する考え方でもっとも美しいと感じました。

この一文に出会っただけでもこの本を読んでよかった。心からそう思います。

末盛千枝子さんが自社で出版された美智子さまの本「橋をかける」も読んでみようと思います📖

あとほんのちょっとですが、私が小さい頃からなぜか好きで読んでいた絵本「ちいさいおうち」のエピソードもあって嬉しかったです🏠

📖夏川草介 『始まりの木』 小学館文庫

🔖心に残った一節
民俗学は就職の役には立たん。だが君が人生の岐路に立ったとき、その判断を助ける材料は提供してくれる学問だ。

夏川草介さんという作家が気になり出して、最初に手に入れた本がこちらでした。

日本という国を愛する気持ちがひしひしと伝わってくるストーリー。その想いを民俗学という学問に乗せて語るというアイデアに心が揺さぶられます。

柳田國男は、日本の、日本人の、先行きを心配して、民俗学を立ち上げました。その民俗学はまだまだ日本人に必要かもしれない。そう思わせるに十分な美しい物語です。

そして、「自らが学ぶ学問を誇りに思いなさい」という一貫したメッセージ。

自分が心から学びたいと思った学問は、おそらく皆、社会を、日本人を、良い方向に導くものであると信じて学んでいるものであると思います。

それを忘れてはいけない。

民俗学を通して、学問の尊さを改めて感じました👨‍🎓

高校時代に読みたかったなぁ。。(おそらく響かなかったけれども😅)

以上、バリエーションに富んだ4冊でした。

読んだ本はインスタやThreadsでタイムリーに紹介しているので、もし興味ある方はぜひフォローしてください😁

〈Instagram〉
https://www.instagram.com/masaki.tomaru/

〈Threads〉
https://www.threads.net/@masaki.tomaru

また前回もご紹介した『積読ダイアログ』を10月も開催します!

次回は、10/21(月)19:30〜、まだまだお席に余裕がありますので、ご興味ある方、ぜひ下のリンクから詳細をご覧ください💁

楽しく積読を減らしましょう✨



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集