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墨子 巻四 兼愛下(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《兼愛下》:現代語訳 子墨子が語って言われたことには、『仁を志す人の事業は、必ず努力して天下の利を興すことを願い、天下の害を除くことである。』と。それでは、今、この時代にあって、天下の多くの害の内、どれが大きいのであろうか。言われたことには、『大国は小国を攻め、大家は小家を混乱させ、強者は弱者を脅かし、大衆は寡少を害し、詐者は愚者を騙し、貴人は賤民に驕るようなもので、これが天下の害である。また、人の君主が不恵であること、臣下が不忠であること、父が不慈であること、子が不孝である

    • 墨子 巻四 兼愛中(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

      《兼愛中》:現代語訳 子墨子が語って言われたことがある、『仁を志す人が事業を行う理由とするものは、必ず天下の利を興し、天下の害を取り除く、このことを理由に事業を行うのだ。』と。それでは、その天下の利とは何であろうか。天下の害とは何であろうか。子墨子が語って言われたことには、『今、この国とこの国とが互いに攻め合い、この家とこの家とが互いに奪い合い、この人とこの人とが互いに傷つけ合い、君主と臣下とが互いに恵と忠とではなく、父と子が互いに慈と孝とではなく、兄と弟は互いに和み調わない

      • 墨子 巻四 兼愛上(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

        《兼愛上》:現代語訳 聖人で天下を統治することをもって事業とする者は、必ず戦乱がどこから起きて来るのかを知れば上手く天下を統治し、戦乱がどこから起きて来るのを知らなければ上手く統治することが出来ない。これを例えれば、医者が病と闘うようなもので、必ず病がどこから生じて来たのかを知れば、きっと、病と上手く戦い、病がどこから生じて来たのかを知らなければ、病と上手く戦うことが出来ない。戦乱を治めることが、どうして、それだけが特別な話となるだろうか。必ず戦乱がどこから起きて来るのかを知

        • 墨子 巻三 尚同下(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《尚同下》:現代語訳 子墨子が語って言われたことには、『知恵者の事業は、必ず国家百姓が治まる理由となるものを計り、そしてそれにより政治を行い、また、必ず国家百姓が乱れる理由となるものを計り、そしてそれを取り除く。』と。そうであるなら、国家百姓が治まる理由となるものを計るとはどのようなことか。上の者が政治を行うときに、下の者の実情を得ればまず政治は治まり、下の者の実情を得ていなければまず政治は乱れる。どのような理由でそれがそうなのだと判るのか。それは、上の者が政治を行うに下の者

        • 墨子 巻四 兼愛下(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

        • 墨子 巻四 兼愛中(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

        • 墨子 巻四 兼愛上(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

        • 墨子 巻三 尚同下(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻三 尚同中(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《尚同中》:現代語訳 子墨子が言われたことには、「今、この時代にあって、古代の民衆が始めて生まれたときの、未だ正長の制度がなかった時代に立ち返ってみるに、思うに彼らの論説に言うには、『天下の人たちはその正義の定義を異にしている。』と。この論説からすると、一人に一つの定義があり、十人に十の定義があり、百人に百の定義があり、その人々の数がさらに多くれば、その正義の定義というものは、また、ますます多くなる。この、ある人の唱える正義を是とし、一方、他の人の唱える正義を非とすると、それ

          墨子 巻三 尚同中(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻三 尚同上(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《尚同上》:現代語訳 子墨子が語って言われたことがある、『古代に民衆が始めて生まれ、まだ刑法による政治がなかったとき、思うに、それぞれの人の語ること、人ごとに正義の定義を異にしていた。このことからすれば、一人なら一つの正義の定義、二人なら二つの正義の定義、十人なら十の正義の定義があり、その民衆が多ければ、その唱える正義の定義も多かった。このせいで人ごとに自分の正義を是とし、他人の正義を非とした。それで互いに相手の意見を非とした。』と。このようなことで、父子兄弟は互いに怨悪の気

          墨子 巻三 尚同上(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻二 尚賢下(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《尚賢下》:現代語訳 子墨子が語って言うには、『天下の王公大人は皆、その国家は富み、人民は多く、刑法は治まることを願うが、しかしながら賢者を優遇してその国家と百姓に政治を行うことを知らない。王公大人は統治をなすときの根本は賢者を優遇することと言う根本を見失っている。』と。 もし、王公大人が統治をなすときの根本は賢者を優遇することだと言う、その根本を見失っているとするならば、事例を取り上げて根本を見失っていることを示すことが出来よう。今、ここにある諸侯がおり、その国家に統治をな

          墨子 巻二 尚賢下(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻二 尚賢中(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《尚賢中》:現代語訳 子墨子が語って言われたことがある、『今、君王公爵大人が人民の君主となり、国家の社稷の祀りごとの神主となり、国家を治め、永久に国家を保って失うことがないことを願うなら、どうして賢者を優遇することが政治の根本であることを理解しないのだろうか。』と。では、どのような理由で賢者を優遇することが政治の根本であることが判るのだろうか。言われたことには、『自らは志が貴く智能のある者がその統治を愚かで志が賤しい者に行えば政治は治まるが、自らは愚かで志も賤しい者が統治を志

          墨子 巻二 尚賢中(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻二 尚賢上(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《尚賢上》:現代語訳 子墨子が語って言われたことがある、『今、君王諸公大人で政治を国家に行う者は、皆、国家は富み、人民は多く、刑法の施行が適切であることを願う。然しながら意に反して国家は富みを得ないで貧困となり、人民は多くと願っても人民は少なく、治安を願っても戦乱に遭う。つまり本来のその者が願うことを失って、その者が嫌うことを得る。このそのような理由はなんであろうか。』と。 子墨子が語って言われたことがある、『これは君王諸公大人で政治を国家に行う者が賢者を尊び有能者を使って政

          墨子 巻二 尚賢上(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻一 三辯(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《三辯》:現代語訳 程繁が子墨子に問いて言うことには、「先生は次のように言う、『聖王は楽の儀礼を行わない。』と。昔の諸侯は統治の物事を聴衆することに疲れると鐘や鼓の音楽に憩いをとり、士大夫は統治の物事を聴衆することに疲れると竽や瑟の音楽に憩いを取り、農夫は春に耕し夏に作物を収穫し秋に税を納め冬に穀物・家畜を納屋に収容すると瓶や木箱を叩いて音楽に憩いを取る。今、先生は次のように言う、『聖王は楽の儀礼を行わない。』と。これはこの説明を例えれば、馬に乗って楽をせず、弓を張って矢を射

          墨子 巻一 三辯(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻一 辭過(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《辭過》:現代語訳 子墨子が言われたことがある、『古代の民がまだ建物を作ることを知らなかった時代、丘陵に住み着いて居り穴を掘って宿るも住居の下は湿って民の健康を損ねた。そこで聖王は王の位に就いて建物を作った。』と。建物の建設の方法は、伝えて言うには『建物の高さは湿気を防ぐのに足り、建物の壁は風寒を防ぐのに足り、屋上は雪霜雨露を保持するのに足り、王宮の垣根の高さは男女の礼に従って男女を分けるのに足り、この程度であれば十分だ』と。およそ、財を費やし民の力を労しても利益を得られない

          墨子 巻一 辭過(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻一 七患(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《七患》:現代語訳 子墨子が言われたことがある、国には七つの患がある。七つの患とは何であろうか。城郭やその城郭を囲む溝池が不備で守備に堪えないのに、まず、宮殿を造営するのは一つ目の患である。周辺国の敵が国境に押し寄せても隣国を救わないのは二つ目の患である。もっぱら民力を無用の事業に尽くし、無能の人に恩賞を賜与し、民力を無用に費やし、財宝を賓客の接待に使い果たすことは三つ目の患である。仕官する者は俸禄に固執し、遊説に来る者の見た目を愛し、君主は法律を整えて臣下を討伐し、臣下は君

          墨子 巻一 七患(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻一 法儀(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《法儀》:現代語訳 子墨子が言われたことがある、『天下の物事に従事する者は、法儀(=法理と儀礼)の心得がなければいけない。法儀の心得がなくてその物事に従事して十分に物事が達成した者がいたことはない。士人が将軍・宰相に相応しい者に育ったといっても、皆、法理は有る。各種の職人たちが物事に従事する者に育ったといっても、皆、法理は有る。各種の職人たちは矩形を示す曲尺の道具で正方形の直角を作り、定規を使って等半径の円形を描き、直線は平らな板の衡(さし)を用いて得、水平は水盛と縄を用いて

          墨子 巻一 法儀(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻一 所染(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《所染》:現代語訳 「子墨子が言われたことがあり、糸を染める者を見て、ため息を漏らし嘆じて言われたことには、『青に染めると糸は青色に、黄に染めれば糸は黄色になる。糸を染めるために入れる染料の容器を変えれば、その糸の色もまた変わる。糸を五つの染料の容器に入れれば、糸の思いとは関係なく、五つの色となる。だから、糸を染めるには慎重でなくてはいけない。』と。 ただ、糸を染めることだけがそうなのではない、国もまた染まること(=感化されること)がある。舜王は許由と伯陽とに染み、禹王は皋陶

          墨子 巻一 所染(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻一 修身(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          ≪修身≫:現代語訳 「君子は戦いには陣立ての方策があると言うが、それでも勇気を根本とするものだ。服喪には礼法があると言うが、それでも哀悼を根本とするものだ。士人には学問があると言うが、それでも実行を根本とするものだ。このようなわけで目標とする根本を定めることが確固としていないときに、些末なものを豊かにすることに努力をしてはいけない。近くの関係者に親しみを持たないときに、遠い関係者を仲間として呼び寄せることに努力をしてはいけない。親戚が従わないときに、外交に努力をしてはいけない

          墨子 巻一 修身(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          墨子 巻一 親士(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

          《親士》:現代語訳 「国を得て入国しても、その国の士人の立場を考えなければ、その国は亡ぶ。賢人に会って直ちに任用しないと賢人は君王に暇をとる。賢人でなければ急事に対することが出来ず、士人でなければ共に国事を諮ることは出来ない。賢人に暇を取らせ士人を忘れて、それでも十分にその国を保った者は、未だかつていない。 昔、文公は国を出奔したが、後に天下を正した。斉の桓公は国を去ったが、後に諸侯に覇をなした。越王句践は呉王の辱めに遇うが、それでも中国の諸侯を恐れさせた。三人は十分に名を上

          墨子 巻一 親士(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠