墨子 巻四 兼愛下(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠
《兼愛下》:現代語訳
子墨子が語って言われたことには、『仁を志す人の事業は、必ず努力して天下の利を興すことを願い、天下の害を除くことである。』と。それでは、今、この時代にあって、天下の多くの害の内、どれが大きいのであろうか。言われたことには、『大国は小国を攻め、大家は小家を混乱させ、強者は弱者を脅かし、大衆は寡少を害し、詐者は愚者を騙し、貴人は賤民に驕るようなもので、これが天下の害である。また、人の君主が不恵であること、臣下が不忠であること、父が不慈であること、子が不孝である