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腹痛を抱える子供とのやりとりの工夫
◯腹痛のレベルを数値化する
5段階や10段階で痛みをMAX10としたら今はいくつ?とその時々で聞くことにより様々なメリットがあります。
メリット
基準ができる
痛みの数値を積み重ねていくことで、前回に比べると痛いとかマシだとか比較できます。意思疎通を図りやすくなる
数字という具体物を基準にコミュニケーションをとることで意思疎通が図りやすくなります。対して抽象的に『どんな感じ?』だけだと『痛いです。』や『大丈夫です。』などと意思表示していますが、そのレベルはその時々で変わります。しかし、数字だと具体的です。過去の実績と数字が結びつくので、お互いに正確な状況が図りやすく、その後の対処も話し合いを重ねていればお互い対処法が共通理解できていますのでスムーズです。本人も伝わったという安心感もあるでしょう。本人の判断基準となる
発達障害がある人だと体調が掴みにくい傾向があります。体調を数値化しておくことで、自身の体調把握ができその後の行動選択の判断にも役立ちます。
◯数字をもとに分析し、未然防止と対処に繋げる
痛みのレベルに応じた背景を探る
その日の痛みとその原因を探り蓄積しておく。蓄積されていくことで腹痛が起こる前に起こったことを視覚化して理解することが大切。未然防止に努める
痛みに応じて事前に起こる事象を視覚化できたら、その事象に遭遇しないような未然防止が必要です。例えば、食べ過ぎが原因であれば食べ過ぎないような工夫が必要です。腹痛が起こってしまったときの対処を考える
全てが未然に防げるわけではありません。起こってしまった時の対処方法についても事前に考えておく必要があります。その結果、うまく対処できる手段に辿り着ければ、安心材料となり安定する可能性が高まります。
◯発達障害のある生徒には有効
抽象的な認知が苦手な特性を持ち合わせていることが多いために『痛い』や『大丈夫』などの抽象的な表現では共通理解が難しくなります。ですから、具体物(数字)を介して共通理解を図ってコミュニケーションをとることが重要です。