12月に読んだ本たち
あけましたね、2024年。新年1発目の投稿は全く関係ない読書録。
一年が、早すぎてゾッとしている。
いや、早すぎない?おかしくない??(誰に対しての問い?)
去年、、、、いやもう一昨年と言うべきか、読んだ本を一年分でまとめて載せてみよ♪と気軽に書きはじめたら、なんだが長すぎて分けわからな過ぎたので。2023年は1ヶ月ごとにするぞ!と決心したのがつい昨日のことのようだがほぼ一年前なのだが。。。(ゾッ)
去年の読書録コチラ⇩
そんな前振りどうでもいいが、先月はプリン嬢一色だったので、今月は頑張ろうというのもおかしいが、頑張って読み進めるぞな意気込みが感じられる読書録。
午後二時の証言者たち(天野節子)
彼女が最後に見たものは(まさきとしか)
私の薄っぺらな感想を書くよりも、印象的な言葉のいくつかを残したい。そう感じる作品だった。
「彼女が最後に見たものは」の題名、読後にまた響く。それは目に見えるもののの他にも意味を持っているのだと思った。
グレープフルーツジュース(オノ・ヨーコ)
この本を読んだら、聞きたくなる確率100%じゃない?
あと読んだ後、燃やした人の確率はどのくらいだろう・・・・
(ちなみに、私は燃やしていません、、、だって、だって、、、、もったいないもの!!:凡人)
ラブセメタリー(木原音瀬)
愛の墓場(直訳?)。。。
欲望を秘めて、スレスレのところで生き続ける人間と、それを開放してしまったが為にひたすら転落し続ける人間。そして多分大多数の自分たちがどれだけ恵まれた生き方をしているかを疑う事も知る事もなく、当たり前のものとして、他者と比べ羨む人間。
久瀬の親戚の男が、人もうらやむ見た目と仕事、暮らしをしている久瀬と、一家庭人である自分の暮らしを比較して、ひたすら羨む場面がある。
何も知らず、上辺だけ見て。自分が置かれた幸せを考えもしないで。
それは純粋な欲望なのだろうか?醜くゆがんだ欲望なのだろうか?
罪の名前(木原音瀬)
「ラブセメタリー」がこの作者の作品で初めて読んだものとばかり思っていたら著作に見覚えのある本が。それがこの作品だった。いつの間にか持ってたし、これはたしか読んだ記憶はあるが詳しくは覚えていなかったので再読。
4つの短編が入っていて、どれも心のどこかを抉られ終わる。
特に最後の「虫食い」は共感も理解もできないけれど、なんだか一番心に残った。残ってしまったというべきか。
あと「ミーナ」はシンプルにアレルギーでるわ。。。拒絶の。
こんな人間が近くにいたら嫌すぎるし、怖いのは実際にいてもおかしくないところ。地味にジワジワ来る嫌さ。
カウントダウン(真梨幸子)
嫌われ松子の一生・上下(山田宗樹)
映画はエンターテイメント性が強くて(映画だし)結構な悲劇?も喜劇っぽく観てしまえる感があった気がするが、それでもなんだか最後は泣いてしまった。
そういえば本あるんだよなあ、と思い今更、、、ってわけじゃないけど読んでみた。なんと上下巻。
解説には「転落し続ける人生」とあるが、それって見る人によって違って、教師時代がすごく良い人生という訳でもないし(むしろ読む限り理不尽な事だらけ)傷つきながら、すり減りながらもたくましく生きて行った松子の人生、まさしく松子の一生は浮いたり沈んだり、転落だけで片づけられない。
面白いのが、一般的には真面目だったり、きちっとした職種の人間が自分本位のどうしようもないクズだったり、かたや世間的に疎まれる職種にいる人間の方が人として出来ていたりして。もちろんそうでない人間もいるのだが。
それにしても松子、たくましすぎないか。一生が濃すぎるわ。叔母の人生を死後初めて存在から知る事になった甥っ子も、段々と見る景色、考え方の変化がでてきて、日々をなんとなく流され生きて来たこれからの人生はどう変わっていくのだろうと思うところで終わっている。と思ったら、これまだ続編があるらしい。。。フムフム。
嗤う男(福澤徹三)
なんだろう、私にとってなんだか新しいジャンルの後味悪い系お話の詰め合わせだ。現実的なものから、オカルトチックなものまで。混じっているものも。
とにかく「ウシジマくん」を読んだ時と同様、サラ金、消費者金融ダメ絶対という教訓?と言う話が多めな雰囲気。
唯一?そういう系に関係なさそうな「憑かれた人」と「真実の鏡」がなんだか読んでいて疲れたし、現実味が強かった。。。だからなお、怖いのだろうか。
女が死ぬ(松田青子)
たくさんの話が詰まっている、詩集?エッセイ?小説??うーんどれも違う気がするけど、詰め合わせの一番長い話で15ページ、短いので1ページ、というか1行。いや、、、1行すらないものも・・・
一気読みというより、時々気まぐれにあっち読んだりこっち読んだりしていた。あーあ、読み終わっちゃったー。
ページ後ろの方の「著者ひと言解説」を一話ごとに読みながら読んだ。ひと言とセットで読むと、「なるほど~」となるときもあるし、これは解説だろうか?とつい笑ってしまうひと言も。この人の他の著作、読んだことないけど気になる。
穴 (小山田浩子)
綺麗ごとではすまされないの分かってるけど、いたちのはなし、涙出る(もちろんイタチ目線)これはでもどこかで聞いた事ある気がする、、、、田舎だから(、、、、、。)
初めて読む作家さんの本。書き方が何か独特なものがある。勝手にちょっと年配の方なのかと想像していたら、意外と年が近かった。いや私も年配か。。。。ゴクリ。
猫的な、あまりに猫的な(白取春彦)
猫に釣られるのは常にだが、本文から引用した帯の言葉がとても気に入り、珍しく定価買いした本書(最近はもっぱらお下がりリストですから)
そして、この言葉にも共感しかない。
窓の魚(西加奈子)
2023年最後の1冊。
4人それぞれの視点の話。とその周辺で微妙に関わる人の証言?で物語が進んで行く。主人公(語り手)が替わると同じ風景でも全然それぞれの印象が変わるのが、当たり前なんだけど新鮮。
すぐに読めてしまうけれど、もう一度、二度と読み返したくなるような読書間。どんでん返しとか、謎解きとかそういうんじゃなくて。
西さんの本は「漁港の肉子ちゃん」の印象が強かったから、ガラっとイメージが変わる作品だった。肉子ちゃんの話のテンポと雰囲気すごく好きだったけど、この話もなんだか心に残る。なんでこんなに違う雰囲気の作品が残せるんだろう?凄すぎる。
2024年は何読もうかな?
ゆっくりじっくり読みたい気もするし
飲み込むようにゴクゴクと読みたい気もする。
読みたい本があふれている。幸せか。