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「100万分の1回のねこ」を読んで|読書感想文

猫好きはもちろん、佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』が好きな人に読んでもらいたい一冊です。

タイトル:100万分の1回のねこ
出版社:講談社
著者:江國香織、岩瀬成子、くどうなおこ、井上荒野、角田光代、町田康、今江祥智、唯野未歩子、山田詠美、綿矢りさ、川上弘美、広瀬弦、谷川俊太郎

名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げる短編集。作家13人による短編小説や詩のアンソロジーがひとつになった作品です。

100万分の1回のねこの目次

13粒の作品はどれも愛おしくて、犬派のわたしでも読書後はネコと一緒に暮らしてみたいと思いました。

13名の作家がそれぞれの作品のまえに佐野洋子さんの本についても書かれています。数行の短い言葉が並べられているだけなのに、じんわりと濃いメッセージがつたわってきます。

このねこの、ふてぶてしく悪そうで、「俺のことを簡単にわかったなんて思うなよ」という顔が大好きです。
中略
でもやっぱり私は(生まれ変わるとしたら)白いねこより「100万回生きたねこ」になりたいです。
3回ちゅうがえりをして、「おれは100万回も……」といいかけてやめて、「そばにいてもいいかい」と言いたい。

100万分の一回のねこ|井上荒野から引用

本というのは不思議なもので「この話すごく好き!」と心が躍っているのに、なぜかその作品とはまったく別の小説の話がいつまでも記憶に残っていたりもします。

たとえば「あにいもうと」です。

あにいもうと|唯野未歩子


あらすじ

何度も生まれ変わり続け前世の記憶を持ち続けているメスネコ。いつも妹として生まれてくる。同じようにお兄さんネコもそばにいる。

お母さんネコも他の姉妹ネコもいつも違うのに、妹ネコと兄さんネコはいつも兄妹だ。兄さんネコはいつもハンサムで飼い主から可愛がられるのに妹ネコは可愛がられない。

兄さんネコは妹ネコをいじめる。何度生まれ変わっても…。

そして妹ネコは人間のおんなの子として生まれ変わり、結婚した。そして兄さんネコと再会した。

妹ネコはいつもコンプレックスを抱えて生きていた。兄さんネコはハンサムだけど、少しズル賢いところもあった。

何十回めの生まれ変わりで妹ネコが人間の女性になったとき、どのように兄さんネコと再会するのか、ドキドキしながら読みました。

楽しい話ではないけれど、兄さんネコがすまして木の枝を歩いているところやじっと見つめている姿が頭の中から離れません。

うーん。やっぱりネコが好きなら読んでもらい一冊です。

わたしはブックオフで110円で購入しました。探してみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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