「娘について」を読んで|読書感想文
スコットランドから一時帰国中のまると申します。
韓国文学「娘について」は図書館で借りました。
この作品は老人介護施設で働く60代の女性のおはなしです。介護施設にいる老人の話、介護の様子を織り交ぜて話がすすみます。
自分が年老いたとき、どうなるのだろう。40代以降の人なら誰しも考えることだろうと思う。
が、しかし考えても悩んでも仕方ないよね。だって心配しても時間が止まることはないし、いつか自分はこの世からいなくなる。だけど、この小説を読んで針でチクリチクリと刺されたように心が痛くなったのは事実。
自分が朽ち果てていく未来を想像すると怖いと思った。
あらすじ
60代の母親視点で小説はすすむ。
夫に先立たれた60代の女性は30代の娘がいる。娘の将来を考え懸命に働き娘を大学まで行かせてた。
立派な大人になってしっかりした男性と結婚し子供を産んで
家庭を築くことが当たり前だと思っている母親。
しかし30代になった娘はパートナーと共に母親の家に転がりこんでくる。娘のパートナーは男性ではなく、女性だった。
その事実をどうしても受け入れることができない母親。介護施設で面倒を診ている老人と自分の将来をかさねてみてしまう母親。ある日、自分が担当していた老人が悪名高い施設に転院することになり、それを阻止しようとするが…。
感想
介護施設の様子が描かれているが、これが現実にあることなら怖くなった。
例えば、おむつの話。施設では老人ひとりが1日に使用できるおむつと消毒用ガーゼの数が決まっている。
ほぼ1日中寝かされた状態でおむつをしていれば、床ずれがおきる。
担当の老人のお尻を消毒用ガーゼで拭き清めていると、上司が言う。「頻繁に消毒は必要ない」
つまり、経費節約しろと言うのだ。「どうせ老人は痛さも感じないの。その部分の感覚は死ぬんだから」と。
こわいよ。ホント怖いと思った。私も虫ケラみたいにあつかわれる日がくるのか?
AIロボットがよぼよぼの私を守ってくれる未来
私がヨボヨボになる頃はほぼ人間と変わらないAIロボットがどこの家庭にもいて、いつも私のことをサポートしてくれるんじゃないかって思っている。
そのAIロボットの性別や顔とか声もお好みで設定可能で自由自在なの。話し相手にもなってくれるし、和食も作ってくれるロボット。そんな未来が私のヨボヨボ生活の不安を消してくれるはず。
印象に残った言葉
自分が担当していた老人が悪名高い介護施設に移されようとしていた時、彼女は声をあげた。
こんな将来どうしても考えたくないから、苦しい小説だった。じゃ、どうやってしめればいいの?私の気持ち?
1日1日を大切に。今を大切に生きましょう。と言えばいいのかしら??
ごめん。私言えないよ。無力な日もあるし。
おまけ|一時帰国で必ず食べるもの
●クッピーラムネ
大量に買ってスコットランドに持って変えるお菓子です。
百均のクッピーラムネのサイズがさらに小さくなってショックを受けました。一袋にたった9粒しか入っていません。
もとのサイズに戻してほしいです。