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俳句

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俳句を始めました。 ご指導よろしくお願いします。
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2023年3月の記事一覧

【俳句】ライラック杯 俳句で参加いたします

【俳句】ライラック杯 俳句で参加いたします

花衣恋する人のふりをして

頬杖をついて夕べの桜餅

鞦韆をこいで始まる物語

一句目
新しい春の装いで出かけよう。
軽い足取りで、飛ぶように歩こう。
恋人の元へ急ぐ時のように笑顔で。
恋人なんかいなくたって構わない。
恋をしているふりでいこう。

二句目
昨日の夜に誰かと食べるつもりだった桜餅。
友人と、あるいは好きな人と。
何があったのか。
午後、頬杖をついて少し固くなった桜餅を食べる。
ひと

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【俳句】弥生 花冷え 春風

【俳句】弥生 花冷え 春風

ガレージで妻待つ弥生半ばかな

出かける用意をして車のエンジンをかける。
妻がなかなか出て来ない。
いつもこうだ。
もう行けるって言ったのに。
もう3月も半ばか。

花冷えや日延べされたる待ち合わせ

約束していた待ち合わせが、急に延期になった。
急に手持ち無沙汰になった午後。
どうして過ごそうか。
花冷えで少し肌寒い。
他に誘える人も思いつかない。

春風や壁に店主の挨拶文

いつも見かけていた

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【俳句】初桜 初蝶

【俳句】初桜 初蝶

人が皆すこし前向く初桜

侍ジャパンの優勝は、なかなか明るいニュースの少ない中で、少しは多くの日本人の顔を上げさせたのではないだろうか。
僕のあたりでは、今週桜が咲いたばかりだ。

初蝶や勝負に定め有るか無し

勝ち負けを決めるのは実力か、はたまた時の運か。
わからない。
わからないよと、初蝶がフワフワと舞っている。
ただ、大谷翔平だけが、どちらも手に入れたかのように活躍している。

※今日のWB

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【俳句】麗か 藍微塵 春夜

【俳句】麗か 藍微塵 春夜

麗かやパフェの種類も決めかねて

年甲斐もなく甘いものが食べたくなる。
カフェに入ってメニューを開く。
そのパフェの種類の多さに驚く。
昔は、チョコレートパフェかイチゴパフェくらいしかなかったのに。
ああ、決まらない。

喩えしは人の常なり藍微塵

人は常に何かに喩えたがる。
藍微塵。
君もこれまでさんざん喩えられてきただろう。
愛とか恋とか、空の青さとか。
何と言われようと自分は自分。
気にせず

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【俳句】春半ば 春塵

【俳句】春半ば 春塵

球児らの土踏む音や春半ば

センバツが始まった。
4年ぶりの全選手による入場行進。
声出し応援も解禁となった。
この時を待っていた。
「全ての若者が希望を持ち、夢を追いかけられる平和な世の中となるよう、願わずにはいられません」
それは、選手宣誓をした高松商業の横井亮太君だけではない。
誰もが願っていること。
そのはずだ。

春塵やプレイボールの声高し

いよいよ、待ち侘びたプレイボール。
あらため

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【俳句】黄蝶 日永 春ショール

【俳句】黄蝶 日永 春ショール

黄蝶舞ういちばん先に生まれたの

小さな黄色い蝶が、草むらからひらひらと現れる。
そのまま、空に舞い上がっていく。
見て、と。
見て、この春、わたしがいちばん最初に生まれたのよ。
そう言わんばかりに。

夕刊に飽きて妻待つ日永かな

夕刊ももう読み尽くした。
テレビのニュースにも見飽きた。
用事で出かけた妻はまだ帰ってこない。
日が長くなってくると、帰りも自然に遅くなってくる。
待っているほうは、

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【俳句】北窓をひらく 啓蟄 囀り

【俳句】北窓をひらく 啓蟄 囀り

北窓をひらく好きでも嫌いでも

好きでも嫌いでも、とにかくその窓を開けてみよう。
そこから始まることもある。
ほら、外の景色を見てごらん。
君が思い悩んでいる間に、季節はこんなに変わっているんだよ。
さあ、大きく深呼吸してみよう。

啓蟄や命ひとつに名もひとつ

命のひとつひとつに名前をつける。
そんな丹念な人間の営みに想いを馳せて。
名づけるという行為。
それは、愛でもあると信じたい。
啓蟄。

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【俳句】花吹雪 # 春駅物語

【俳句】花吹雪 # 春駅物語

夢と夢始めと終わり花吹雪

春。
夢と夢が出会う季節。
始まる夢ばかりではない。
終わる夢もある。
旅立つ人と戻る人が交錯する。
花吹雪が舞う。
いってらっしゃい。
そして、おかえりなさい。