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雪の音:2021年12月6日(音の日)

なぜか忘れられない漫画のひとつに「雪の音」があります。

美内すずえさんといえば、「ガラスの仮面」で有名ですが、短編集も名作が多く子どもの頃に従姉妹のお姉さんから借りてよく読んでいました。

「雪の音」は、自分の容姿に自信がない引っ込み思案な女の子ボリーの物語。ボリーはある日、1つ年上のキルメニイという美しい少女に声をかけられ、彼女と声がそっくりであることから留守中の代役を頼まれます。
声はそっくりでも顔が全くちがう2人の少女ですが、事故で失明してしまったキルメニイの婚約者の青年・バートの前で自分になりきってほしいという依頼でした。
そして、キルメニイに声だけなりきったボリーはバートと一緒に時間を過ごし‥ 結末は「雪の音」をキーワードに展開していきます。

「雪は……静かだ……だまったまま降ってくる……ぼくにはわからない」

「ね、バート。雪にも音があればいいのにね。そうすればあなたにも雪のおとずれがわかるのに」

お互いの愛情を深めていく2人のやり取りですが、バートはボリーのことを美しいキルメニイだと思っています。
そしてキルメニイとの契約期間が終わるボリー、結末は美しい雪の景色が印象的なのですが、ネタバレは控えさせていただきますね。

地面に打ち付ける雨の音は聞こえますが、しずかにやさしく地面に舞い降りてくる雪の音は聞こえません。

今年も日本も雪の降る季節がやってきます。
音もなくやってくる雪はやさしい冬のプレゼントですね。


12月6日は音の日。アメリカの発明家であるトーマス・エジソンが、発明した蓄音機「フォノグラフ(Phonograph)」で「メリーさんの羊…」の音を録音・再生することに成功したことを記念して制定された記念日です。
蓄音機といえばエジソンの3大発明のひとつですね。

エジソンの蓄音機でもきっと雪の音は録音できません。
ですがエジソンは、雪景色を照らしてくれる白熱電球、そして映像を映し出す映写機を発明しました。

蓄音機、白熱電球、映写機の三大発明は、今の私たちの生活の中でも欠かせないモノたちの基礎になっています。

エジソンのおかげで雪を見たことない人も、「雪ってこんなものなんだ!」と知ることができるようになったと考えていると、彼の偉大さには敬服するばかりです。

今年の冬、私は雪のないマレーシアで過ごすので、映像での雪景色を静かに楽しみたいと思います。

本日もお読みくださりありがとうございます。


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