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パリに着いた日のこと①
ある年の9月、いよいよ私のパリでの留学生活が始まった。
飛行機に持ち込める最大限の荷物を持ってきたのでLサイズのスーツケース、ボストンバッグ、中サイズの肩掛けバッグ、とシルエットだけ見れば限りなくカービィに近かっただろう。私の先生はやりたい曲をなんでもやらせてくれるだろうと信じていたので楽譜は受験曲と受験後すぐ始めたい曲以外は船便でゆっくり二ヶ月後くらいに届く予定だ。
一番安い飛行機を取ったの
パリに着いた日のこと②
タクシーの運ちゃんはラオス出身の気さくな感じのおっちゃんで「どこから来たのか」、「どうしてフランスに来たのか」などよくある質問を投げかけてきた。これくらいであれば片言かもしれないが答えられた。朝の通勤ラッシュ時だったので窓ガラスを割られて取られないよう荷物は足元へ置いた。
私が音楽留学で来たと知った運転手は「歌は?歌は好き?僕は大好きでこんなことやってるんだよ!」とカラオケのアプリを起動し自分が
パリに着いた日のこと③
車内に心地いいとは言えない歌声を響かせているうちにやっと私の住むアパルトマンに着いた。大家に11時に来いと言われていたがまだ9時前だったので家の通りにあるカフェに入った。大荷物の中、朝のカフェを愉しむおじさん達で賑わう中入って行くのは勇気がいったが雨の中外に立ち尽くしているわけにもいかない。ようやく座れて、一人になれてホッとした。
時間になりとうとう我が家へ向かう。11時に来るのかと思っていたら
パリに着いた日のこと④
大家の家に着いた。私を座らせてパソコンで契約書を作成しているがこれも何故今日までに済ませられなかったのか謎だ。そしてこれを持って弁護士のところに行くという。私と大家の間で問題が起きた際公平な立場で仲裁に入ってもらう為だそうだ。その弁護士はというとフランス人で、果たして私にとってメリットがあるのかどうか謎だったが大家は「あら話してなかった?皆こうするのよ」というスタンスだったので従った。弁護士に50
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結局スマホなど買うには「分割で月額いくら」という支払いをしなくてはいけなく、そのためには銀行口座ないと無理だわ。と言われなんの収穫もなくSFRだかorangeだかを後にした。後から知ったが普通にデータ通信の契約なしでも本体単品で変えるがアナログな大家は知らなかったらしい。残念だ。
「社会保険は明日の午後に予約取れてるからね!大体◯€ぐらいだから用意しといてくださいね!」といわれ結局予定していたこ