生活を始める準備①
怒涛の渡仏初日を終えてからも、なかなか大家からは解放されなかった。
まず二日目は住居保険の登録に連れて行かれた。大家宅で待ち合わせだったが着くなり「ちょっと疲れがたたったのね。蕁麻疹出ちゃったからこれから病院に行きます」と言われ(ハァー?ドタキャンか?)と思ったらまさかの病院に付き添わされた。渡仏二日目にして2日連続他人の病院に付き添ってるやつなんて絶対この世で私一人な自信がある。
病院は昨日の娘の診察よりは時間がかからなかったものの(なんで今日の待ち合わせの前に行っておこうという発想がないんだろう?フランスに長年いるとこうなるのか?)と勝手にフランスのせいにした。フランスのせいにしておかないと私の脳が理解することに拒否反応を起こして爆発しそうだった。
そして保険会社に向かった。その場所はというと大家宅から遥か遠くの端で、メトロでパリを横断するはめになり、またも「なぜ?!」が爆誕する。これもフランスの中心地には保険会社がないと思うしかない。すまぬフランスよ。全ての納得いかない事柄はお前が背負うのだ。着いてからは言われるがままサインなどしてあっという間に終わった。「あなた学生だって言っておいてあげたからかなり安くなったのよ!」と恩着せがましく言われたが言っておいて貰わないと困る。逆に学生証もなにも提示してないのになぜ安く出来たのか疑問だ。
帰りの電車はまた大家と長い道のりを横断した。不幸なことに大家の家と私の家はまあまあ近いのだ。明日は銀行の予約が取れているという。せめてもう病院には付き添いたくない。