【読書】真人間の茂兵衛~『上田合戦仁義 三河雑兵心得(九)』(井原忠政)~
家康、信長をはじめ、この時代の有名人になぜか会い、かつ結構気に入られてしまう茂兵衛の話も、9巻目です。「姿形に似合わず人たらし」(p.152)と、家康に称されていますが。
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こういう風に考えたことはなかったので、面白いです。
防具の名誉のために憤慨してしまう茂兵衛が、ちょっとおかしかったです。
彦左のこの言葉、本当に茂兵衛は嬉しかったことでしょう。苦労して育てた甲斐があったと。
茂兵衛が家康から、ついに「植田」ではなく「茂兵衛」と読んでもらえるシーン、なかなか良かったです。
阿呆の花井くんの良い点を、無理にでも探して褒め、そして励ます茂兵衛、相変わらず教育者の鑑です。
うーん、茂兵衛が自分のことを「真人間」と言うようになるとは、一巻の冒頭を思うと、隔世の感があります。まぁ実際、確かになんだかんだ言って真人間だとは思いますが。
ロシアが今、オデーサの穀物倉庫を攻撃する理由は、これでしょうか。
それにしても第一次上田合戦における真田の戦い方、容赦がなさすぎで、読んでいて疲れました。
今巻は、かなりとんでもないところで終わっているので、次巻を早く読みたいです。
見出し画像には、「みんなのフォトギャラリー」から上田城の写真をお借りいたしました。
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