他の著書も読みたくなる~『タスキメシ 箱根』(額賀澪)~
*この記事は、2020年6月のブログの記事を再構成したものです。
以前レビューした『タスキメシ』の続編です。前作で管理栄養士としてスポーツに関わりつづける道を選択した早馬が、箱根駅伝初出場を目指すチームを、栄養管理兼コーチアシスタントとしてサポートする話です。
↑kindle版
そんな早馬に反発するのが、チームのキャプテンの千早。箱根駅伝に選手として出走することがかなわなかった早馬が、自分の将来の姿ではないかと本能的に恐れているのです。いわゆる同類嫌悪ですね。
はたしてチームは箱根駅伝に出場できるのか。最後まで、ハラハラドキドキの展開が待っています。
今回は前作と違い、途中でダレることなく読むことができました。そして早馬の弟の春馬はじめ前作の登場人物たちが、要所要所で出てくるのが憎いです。
せつないのが、エピローグの2020年8月の東京オリンピックの男子マラソンのシーン。発売が2019年11月なので仕方がないのですが、2020年8月の東京でのマラソンは、あらゆる意味でまぼろしとなってしまいましたね。早馬の知り合いの誰が出場したんだろうと想像すると、ちょっと楽しいです。
笑いあり涙ありで、額賀澪の他の著書も読んでみたくなりました。
見出し画像は、2019年10月に撮影した、オリンピックに向けて観客席が増設された横浜スタジアムです。何か最上部のお客さんたちが転がり落ちてきそうで、怖かったです。
↑単行本
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