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【読書】ガザのことがよく分かる~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.477 2024.4.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第79弾です。4月1日号より先にこちらを読んだため、先に投稿します。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号のスペシャル企画は「ガザ76年」です。


この特集、本当によくまとまっているので、ぜひ読んでいただきたいです。『ガザとは何か――パレスチナを知るための緊急講義』の岡真理さんへのインタビューをメインに、パレスチナ問題の期限や関連年表、現在何が起きているかについて書かれています。


ぜひ入手して読んでいただきたいからこそ、安易な引用は避けますが、驚いたのは次の部分。

「アラブ諸国の政府もかつては『パレスチナの大義はアラブの大義。イスラエル建国はアラブ世界全体に対する侵略』と公言していたのに、今や、アラブの同胞であるパレスチナ人がどんな目にあっていても『イスラエルと国交正常化した方が国益にかなう』ということになってしまっています」

p.13

そして心に留めたいのは、以下の一節です。

「パレスチナ人が人間であるということを私たちが理解するために、私たちには文学の言葉が必要です。文学は、人間にヒューマニティ(人間性)を取り戻させます。誤解しないでください。文学によって人間性を取り戻すのはパレスチナ人ではなく、私たちなんです」

p.13


#withHandala (日本版)のことは知らなかったので、日本のアーティストたちもがんばっているなぁと、頼もしく思いました。パレスチナ人の漫画家ナージー・アル・アリーのキャラクターであるハンダラにちなみ、国内外の漫画家たちが自身のキャラクターの後ろ姿を描き、それをポスターにしたものです。

↑ポスター


↑活動の趣旨


『ガザとは何か』の感想も、貼り付けておきます。


特集以外で印象的だったのは、『池内了の市民科学メガネ』。香りの話でした。

職場にラベンダーの香りを漂わせると気が散らなくなり、コンピューターのオペレーターがミスをする確率が激減したそうです。また、ラベンダーとカモミールを混ぜた香りがストレスを減らし、バジルとペパーミントとクローブの香りは職場のやる気を喚起するという報告もあります。

p.7

ちょっと笑ったのは、以下の部分。

「若者の匂い」には気持ちを滅入らせる効果があることがわかりました。

p.7

教室に行くと気が滅入る理由の1つは、それだったのかもしれません。逆に「老婦人の匂い」には気持ちを上向きにする効果があるそうです。


覚えておこうと思ったのは、「販売者に会いにゆく」で取り上げられていたセルビア版『ビッグイシュー』の『リツェウリツェ』の販売者ドゥブラフカ・コヴァチェヴィッチさんの言葉。

大変な時でも陽気でいたいものです。悪い気分を他の人にうつしてしまわないように。自信を失わないで、楽観的にいきましょう。

p.27


今号も、非常に勉強になりました。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。なお今号については、2024年5月1日に次の号が発売されるまでは、街角の販売者さんからのみ購入することができます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった高島さん、いつもありがとうございます!



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margrete@高校世界史教員
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