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【読書】ネット検索は脊髄反射と同じ~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.476 2024.4.1)~
「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第80弾です。4月15日号についての記事と逆の順番で投稿しています。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。
今号の特集は「『ネガティブ・ケイパビリティ』を生きる」です。
ネガティブ・ケイパビリティとは、「不可解の中で、おや不思議だなと思う気持ちをもちながら、宙ぶらりんの状態に耐えていく」(p.10)力のことです。すぐに答えを求める今の生徒をはじめ、現在誰にでも求められる力ですね。
「『学校では解決できないことばかり起きるのに、答えの出ない問題は初めから設定されず、解決できるようなことばかりを教える』と嘆いていました。そんなマニュアルからずれた事態が起きてしまったら、子どもは、うまくできなかった自分を責めるしかなくなります」
答えが出ない問題を設定しても、生徒はすぐに何らかの答えを求める、あるいは出してしまう傾向が強いんですけどね。
「通信制の高校は生徒がどんどん増えて、今はマンモス校になってますよ」( p.11)というのは驚きました。最近あるところで、特別支援学級を希望しても、入れるのは来年度(!)という話を聞いたのですが、確かに「文部科学省が定める学校教育の方針はもはや破綻している」(p.11)のでしょう。
有効な成分の含まれていないプラセボなのに副作用が出る「ノセボ効果」もわかっている。「いやな先生が、よそよそいい態度で出した薬は、たとえそれが小麦粉でも『先生、胃がもたれました』となるわけです
これ、笑えるような、笑えないような。
「現在進行中のロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ攻撃にも、為政者たちの”ネガティブ・ケイパビリティ”の欠如が見て取れます。それでも希望を捨てずに抵抗を続けることが私たちの務めで、無力だとわかっていながら抵抗した人々の系譜は必ず歴史に残ると思います」
この帚木蓬生さんの言葉を励みにします。
「わからないことがあると、すぐに答えをインターネットで検索するのは脊髄反射と同じだと言っていた人がいました。(中略)仮の回答に行き着いてしまえば、それ以上考えが深まることはありませんし、また聞けばいいかと思うから、その仮の回答すら頭の中に入ってきません」
恐ろしい話です。
スペシャル企画のボブ・マーリーの記事の注釈にあった「ラスタファリ運動」の説明を、備忘録代わりに書いておきます。
1930年代にジャマイカで始まった宗教運動。聖書を独自に解釈し、エチオピア最後の皇帝ハイレ・セラシエ(ラス・タファリ)が救世主となって、虐げられてきた黒人のアフリカへの既刊をもたらすとする思想。
今号も、非常に勉強になりました。
「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。
コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。
もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。
見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった宮城さん、いつもありがとうございます!
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