東京唯一の村の檜原村で、自分の手でお茶をつくる
ファシリテーター・ライフコーチのまなみです。
「自然の中に学びの場をつくる」ことを目標に、2024年2月から東京都日野市に越してきました。
美しい作品を考え、作り、表すことで学習者の主体性を育み、学習者・コミュニティ・世界中の生命を豊かにする、そんな学びの場をみなさんとつくっていけると嬉しいです。
さて、私が大好きな多摩地域の自然シリーズ!
奥多摩で道を「掘る」回に引き続いてご紹介したいのが、東京唯一の村である檜原村でのお茶摘みです。
奥多摩で道を「掘る」回でご案内いただいた後藤めぐみさんのSNSでの投稿を見て、森のお仕事株式会社さんのお茶摘みに参加させていただきました。
新茶摘みは毎年5月に行われていて、コーチング仲間のワカナさんと私はシーズンが終わるギリギリのタイミングで滑り込んできました。(本当はもっと早いタイミングで行く予定だったのですが、雨の日に当たってしまいました)
朝9時にJR五日市線の終点である武蔵五日市駅に集合して、午前中はお茶を摘ませていただき、お昼休憩の後は摘んだお茶っ葉を煎ったり揉んだりしつつ、途中で色々なお茶を飲ませていただきながら過ごしました。
お茶をつくる過程で高田さんに教えていただいて面白かったことを、ご紹介したいと思います。
お茶の木は本来とても強い
まず今回面白かったのが、檜原村とお茶の木の関係性です。
檜原村は山の中にある村で、決して農地にしやすい広い平野があるような場所ではありません。
昔から檜原村のお茶は輸出用ではなく、住民の方が自分の分を摘んで飲むために山の斜面に植えられていたそうです。
伸びすぎたお茶の木を手でむしって整備されているのを見ながら思ったのですが、お茶の木はとても強そうでした。
実際にお話を伺っても、お茶の木は一度生えると山の斜面でも森の中でも毎年芽吹いてくるんだそうです。
それでもお茶の名産地などではお茶の木にはしっかり肥料を与えることが必要と言われているのですが、それは実は機械で何回もお茶っ葉を摘むからだそう…!
檜原村ではもともと住民が飲む分しか手摘みしないため、あまり手をかけずとも毎年新芽が生えてきてくれるそうです。
ここでも自然な農法と、人間の大量消費に合わせた農法の違いを考えさせられました。
発酵か腐敗かは人間の捉え方次第
今回は今まで何気なく飲んでいたお茶の様々な種類と作り方についてもレクチャーしていただきました。
確かに今まで緑茶、烏龍茶、紅茶(そしてたまにインド人からチャイを御馳走していただいたり)など色々な種類のお茶を飲んできましたが、お互いにどういう関係性にあるのかなんて考えたことありませんでした。
お茶の種類はお茶の発酵度や発酵させるための手法によって変わってくるそうです。
自分にとって面白かったのは、「発酵」と「腐敗」はどちらも微生物が働いているという現象で、人間にとって利がある微生物の働きは「発酵」、害がある微生物の働きを「腐敗」と呼んでいるとのこと!
同じ日にお茶っ葉を発酵させて烏龍茶を作ろうとされている方がいらして、下の写真のようなざるでお茶っ葉を揺らして発酵させていました。
しかし、帰り際に持って帰るために紙袋に入れたお茶っ葉を覗いてみると…何も知らない人が見たらこれは落ち葉じゃーん!という感じでした。
人間にとって良い働きかどうかで定義が変わるのは、すごく人間中心的な考え方で面白いなと思いました。
↓たまたまこんなYahooニュースも発見しました
同じように摘んで同じように作っても、お茶の味は違う
最後に面白かったのは、午後のお茶づくりです。
私たちがつくったのは釜炒りの緑茶だったのですが、中華鍋で煎り、そのお茶っ葉を御座の上で揉むという作業を2〜3回繰り返します。
最後に大人の男性参加者がつくったお茶と、女の子の参加者がつくったお茶をそれぞれ飲ませていただいたのですが…驚いたことに、同じ場所で摘んで同じようにつくったはずなのに、お茶ができる時間や味が全然違いました。
強く揉みこむことができるとすぐに強い味が染み出すお茶になるようです。
市販のお茶は機械で強く揉み込んでいるから、すぐお茶の味が出てくるとのことでした。
家に帰って自分がつくったお茶も飲んでみました。
私もお茶を揉むのに苦労したので、お茶の味が染み出るのはゆっくりで、かなり優しい、ちょっとほうじ茶寄りの味がします。
最近常滑焼の急須で飲むことにずっとハマっているのですが、そこに加えて自分で摘んだお茶を飲むという経験ができてとても嬉しかったです。
↓ワカナさんのツイートでお茶っ葉の遷移がわかりやすく並べられていたので、ぜひ見てみてください!
今回は新茶シーズンの最終日だったので、来年以降もできたら5月の最初の方に行ってみて、お茶っ葉の味の違いを楽しみたいと思います。
今回つくったお茶のラベルの通り、いつか多摩で焚き火もしたいです。
高田さん、森のお仕事株式会社さん、ありがとうございました。