【Λ世界線記4】ベルクールの言葉は最良の忠告 「問う者たれ」 by真名方涼
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※架空世界での話です。現実世界の話ではありません。
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ボドワン・ベルクール(Baudouin Bellecourt)は彼の名著『問われた問い』の中でこのように述べている。
「問いはイノベーションの種である」。
「問う者たれ」。
彼曰く、問いは多くの答えを産む。
問いがあるから答えがある。
問うからこそ答えに辿り着こうとする。
「問うて答えを探る」という営みこそが人類の根源である。
彼曰く、答えが正答だろうと誤答だろうと関係ない。
正答も誤答もそれぞれ派生物としてのアイデアを産むからだ。
正答からしか得られないものも、誤答からしか得られないものもある。
彼曰く、答える者も貴重だが、問える者はより貴重である。
問うことは「0から1を産むこと」であり、答えることは「1以降を発展させること」である。
問う者は真の創造者である。
ベルクールのこの考えは最良の忠告である。
僕もそうだが、人間は答えに固執してしまうきらいがある。
答えることこそが人間の能力である!と言わんばかりの風潮もある。
ほとんどの問いには普遍的・絶対的な答えが無いのに、そういう問いにまで無理矢理答えようとするし、それゆえに生じる争いもある。
人間には「白か黒かをはっきりさせたい」という性分があり、それゆえ人間は「回答する」という行為が大好きである。
しかし、そういう人間の本能的な部分を少しでも克服していく必要がある。暴力という本能の克服と同じく。
問いに答えることは良いことだが、それ一辺倒になるのは違う。
問うこと自体にも常に目を向けていなければならない。
答える能力・意図だけでなく、問う能力・意図を涵養しなければならない。
このことを忘れてはならない。
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