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【振り返り】ボ教概論Ⅰのつくりかた②構成&企画立案

こんにちは、ボドパパです。
「ボ教概論Ⅰのつくり方」という事で、制作したボードゲーム教育概論Ⅰの製作過程を振り返るシリーズ第2弾。

今回は構成&企画立案です。

ボードゲームと学びの要素を一旦まとめた時点(下記参照)で、

何か…いい感じの冊子的な何かを作りたい…

という思いは、メンバーに共通してありました。

構成&企画立案はそんな思いを言語化して、共通認識を得るフェーズです。

このフェーズをミスると、制作過程や、出来上がったときに
「なんか違うんやけどこれ…。やる気失うわ…。」

という事になりかねないので、慎重に進めるべきフェーズですね。

私たちはゆっくり時間をかけて、
コンセプト

ターゲット
を考えていきました。

コンセプト

どんな冊子にする?という事で、一番最初に議論したのがコンセプト。

メンバーが深く議論して導き出した基本方針は、

「ボードゲームにおける教育の要素を言語化する」
「ボードゲーム教育実践の具体的手法を記載する」

の2点に焦点を当てることになりました。

ちなみに…
議論の途中で、何か他のものに例えてみよう、としたときに出てきたのが
ボードゲーム教育のガイドライン」を目指す
という事。ここはこれからも目指し続けていきたいところです。

「ボードゲームにおける教育の要素を言語化する」のは、

ボードゲームの学びの要素を抽出し、個別のボードゲームを分析して表現すること。

結果を先に見せるとこれのことです。

例示:ボ教概論Ⅰのカタンの進行度別学びの要素

学びの要素をボードゲームの何に合わせて表記するか、は非常に議論を深めて話し合った部分です。
ゲームによっては存在する、
・存在する騙す側、騙される側になる
・全員で協力する
といった「立場の違い」を軸に表現すべきか、ルールの分量やプレイ時間想定を軸にする、といった案も出ていました。

そして、幾つかのボードゲームで試験的に学びの要素を取り出し、まとめてみる試みを行っていった結果、

  • 進行度別の学びの要素
    ゲームの進み具合によって頭の使い方=学びが変化しうる 

  • 習熟度別の学びの要素
    ゲームをプレイしていくと習熟度が上がり、習熟度によって得られる学びの要素が異なる

を教育要素表現の軸にすることとして、まとまりました。

試験的にドミニオンを整理している最中に「進行度」軸と「習熟度」軸が浮かび上がった

次に「ボードゲーム教育実践の具体的手法を記載する」のは、

ボードゲーム教育をする際に先に準備しておくべきことや実践時の工夫を記載すること。

先に見せるとこれのことです。

例示:ボ教概論Ⅰのカタンの学びの実践上の準備・工夫

この二つを紙面の柱として、個別のボードゲームを分析していくことになりました。

学びの実践上の準備・工夫については、この時点でおそらく、
・ボードゲーム教育全般で言えること
・個別のボードゲームならではのこと
という分類ができそうな予感がありました。
ただ明確な区切りをこの時点でできそうにないので、個別のボードゲームの準備工夫を出していって、他のボードゲームでも同じ内容になった場合に全般の準備工夫なのかどうか再度審議する、という進め方を決めました。

こうしていくつかのプロトタイプをつくりながら議論と思考を繰り返すことで、ボ教概論Ⅰのコンセプトとと構成案を創り出していったのです。

ターゲット

次は、ボ教概論Ⅰを「誰に届けるのか」という認識合わせです。

これも非常に難しい議論になりました…。まずはみんなで発散思考。

  • 親御さん

  • ボドゲショップ

  • ボドゲカフェ

  • クリエイター

などのボドゲに関わる人全員を想定し、その方々にとっての「ボ教概論Ⅰ」とは何か、という観点で考えました。

私たちはいったい誰にボ教概論を届けたいのか。

結論は、

  • ボードゲーム教育の実践者
    既に教育現場や家庭でボードゲームを活用している方々。これから始めたい人も含む。

  • ボードゲーム教育に権威性を求める人
    ボードゲームの教育的効果を周囲に説明し、賛同を得たいと考えている方々。

という事になりました。

イメージは、

  • 学校の教員の方

  • 塾の先生

など、教育に携わっていて、その教育カリキュラムの中にボードゲームを取り入れたいと考えているが、後ろ盾がなく実現できていないが情熱がある方、です。

Image Creator from Microsoft Designer(AI)が描いたボードゲーム教育者

なので、ボ教概論Ⅰをお読みいただいた方はお分かりかと思うのですが、ボ教概論Ⅰはボードゲーム用語に対する説明は少なく(ボードゲーム知識はある前提)、さらに少し堅めの文体で書かれています。
堅めの文体なのは、再現性を高めるために論理的な説明が必要なのと、周囲の賛同を得るための権威性を付加することを目的にしています。

ターゲットを決めるときも結構時間がかかりました。
誰に届けたいのか、という事がメンバーそれぞれ違う考え方を持っていたためです。
ただここで大きなヒントになったのが、ボ教協Webサイト上に掲げているメッセージである、
当団体は教育の場においてボードゲームの活用を企図する団体あるいは
個人を支援することを通して、広く人々に豊かな学びを提供することを
目的とした団体です。

という文言です。
ボードゲーム教育をしたい人を後押ししたい。
そのためのボードゲーム教育概論Ⅰである。
この思いでターゲットの議論が収束していきました。

この工程を踏むことで、今後紙面の構成や文面で悩んだ際に、「誰に読んでもらうのか」を明確にできているので解決への糸口を見つけやすくなりました。

企画・校正検討フェーズの重要性

このフェーズを経ることで、メンバー各人がボ教概論Ⅰに対してコンセプト、ターゲットをどのように捉えているのか、という事がはっきり分かりました。

各種議論の中でメンバー同士のボードゲームに対する価値観が共有され、触発され、批判的思考の元、議論しながら精錬していくという工程は、私にとって代え難い大切な経験の一つになりました。

もっと言うと、ボ教概論Ⅰに対して議論していた延長線上に、メンバーそれぞれの「ボードゲーム教育への想い」が共有され、お互いの理解がぐっと進んだ時間となった気がします。

次は「掲載ゲームの選定」フェーズに入ります。
抽象的な議論が実際のゲームに当てられていく様をお伝えします。お楽しみに。

WRITTEN BY

ボドパパ
日本ボードゲーム教育協会所属。
流通小売&ITデジタル会社の社長秘書で、ボードゲームと家族が大好きな父親です。息子(5)と娘(2)の子育て真っ最中。
ボードゲームを子育てにどう活かすか、に興味があります。
好きなボドゲは「魔法にかかったみたい」
https://twitter.com/bodopapa


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