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基礎理論3

前回の基礎理論学説に続き、基礎理論の蔵象について説明していきます。

蔵象とは?

簡単に言えば、五臓六腑とその他の器官の特性のことです。

前回の学説よりも実際の臓器の名前が増えてくるので、段々面白くなってきます。

蔵とは、五臓六腑を指します。

象とは、蔵の外側への表現を指します。
つまり、診断のときに解剖せずに外見を観察することで五臓六腑の状態が分かるよ、ということです。

では、それぞれの特性を説明していきます。

まずは


心の生理効能は、心主血脈、心主神志と表現されます。

・心主血脈
→血液を動かすことで脈中の運行を正常な状態に保つ、という意味です。

そのため、心の力が不足していれば、鼓動が弱くなり、血液の運行が滞ります。

この力のことを、中医学では心気と呼びます。
基礎理論1で説明した精気の気です。
血液はあっても、気がなければ脈中で血液が流れることはできません。
気の動かす力(推動作用)が必要ということです。

血脈の流れが悪くなると、血行不調なのでやはり顔色なども変化します。

そのため、心気不足の方は、顔色が白っぽくなったり、唇が紫色になるなどの変化が起きやすくなります。
この顔色の変化などを観察することが中医学、もちろん漢方でも必要になります。

・心主神志
→心主蔵神とも呼ばれますが、心が、人体の生命活動や精神意識を取り仕切るという意味です。

つまり心は、人体のあらゆる臓器や器官、経絡の活動において調整管理を行うという意味です。

そして、あらゆる思考や感情は、五臓の働きと心の調節があって生じることができる、という意味です。

基礎理論2で、肝は怒り、肺は悲しみと関連すると言いました。
これに対して、心の統括者としての作用が加わることで、怒りなどの感情が実際に表現できるということです。

  • 心の気と血が充足していれば、精神は安定しており惑うこともありません。

  • そして血液が正常に運行することで臓腑の効能も調整されることができます。

心の二つの作用の重要性は以上とします。

基礎理論2で、
心の其の華は面、志は喜と書きました。

つまり、心の状態は、顔に現れる。
喜ぶことな心にとって重要な感情であり、逆に、心の働きが正常であれば、喜ぶことができるということです。

しかし喜びが過ぎると、今度は心を傷つけることにもなります、、、

日常的に喜びがあると心は安定しますが、過剰な興奮や過剰な娯楽は続かない方がいいということです。

心の液は汗であり、季節は夏です。

心の血は、汗として排出されます。
なので、汗をかき過ぎると、心を傷つけ、動悸などが現れます。夏場に動悸しやすい場合、汗をかきすぎていないか気にすると良いでしょう。

また精神面、心臓の臓器自体に病気をもつ人は、夏に症状が悪化するか、軽減するか、のどちらかが極端に分かれて起きやすい季節です。

その人の心の陰陽のバランスが、どちら側に崩れているか、という違いにより起こります。

心の陰が不足している人は、夏場に症状が悪化し、心の陽が不足している人は、夏場に症状が軽減するのです。

なぜか?
夏は陽の季節です。

すると、陽が不足している人にとっては、これが季節的に補われます。

しかし陰が不足している人にとっては、もともと陰が少ないために、陽の方が多い状態だった体です。
夏になり陽が更に多くなってしまうと、一層陰陽のバランスが崩れてしまうので、心陰虚の人は夏場に症状が悪化してしまいます。

以上、心の働き、気を付けるポイントなど♪

次は肺についてです☆


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