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10月14日 自分の時間をどのように使うか。カントの規則正しい生活から考える。
自分の時間をどのように使うかについて、意識的であることがいいようだ。
自分の機嫌を取ることができる項目を意識してちりばめる。
自分の時間を「植物のように」育てていく。
カントが日々の生活を規則正しく設定し、散歩するカントを見て人々が時間を知った、という逸話がある。
知的生活 (講談社学術文庫 985)
知的生活 (講談社学術文庫 985)
作者:渡部 昇一,下谷 和幸,P・G・ハマトン
講談社
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ハマトンの「知的生活」によると、
カントは毎朝5時に起きることを守り、朝食は一杯のお茶と一服のたばこでした。その後は執筆や講義を8時間、午後1時まで続けました。
昼食は普通に食べましたが、夕食を食べると眠くなって注意が散漫になるため、食べませんでした。
そして、毎日午後6時から10時15分まで読書をしました。読書を重視して夕食を食べない。簡単にできることではありません。
また、カントは、知的生活が前夜の睡眠に大きく左右されるため、頭を使う仕事は寝る15分前には必ずやめるようにしていました。良質な睡眠を得るため、午後には散歩をしました。頭脳労働にいいと言われるライン産ワインを適量飲みました。
ということだ。
だがこうした生活は長らく借家生活を行ったのちに自宅を得た還暦以降であったという。晩年の10年ちょっとだろうか。昼食には様々な階層の客を招いたが、哲学的な話題は徹底的に避けたようだ。生涯独身。
その墓碑銘は、池田晶子さんも取り上げてらっしゃったので、個人的には大変印象に残っている。
「我が上なる星空と、我が内なる道徳法則、我はこの二つに畏敬の念を抱いてやまない」
午前中で講義などやるべきことを終え、昼食は4時間程度談論風発な愉しい時間を過ごし、そのあとはたとえ天候が悪くても規則正しく散歩(例外はルソーを読みふけって忘れた場合だけだったとか)、そしてよる6時から10時すぎまでの読書。
仮に10時半に就寝すれば、5時起きは別に早くもない。6時間半眠っている。
毎日朝起きるのが、愉しみであったのだろうと思う。
生活の中に自分を愉しませる要素をカントは多く散りばめている。
規則正しい生活による頭の冴え。
美味しい昼食と気の置けない知り合いとの長い会話。
運動による疲れ(入眠が容易に、よき睡眠が取れる)。
読書。
むしろ貪欲に自分を楽しませていると言えるだろう。
こうした規則正しさは、自分の時間を育てよう、と思った時に大変参考になるように思う。
(日々考えが深化していく姿が、見えるようです)
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