
妻が買ってくる商品が毛筆で書かれているために、おじさん向け商品を買ってることを自覚した話
シニア向けの商品名は何故か毛筆で書かれている
私の妻は、渋い食べ物が好きだ。
夕飯のおかずが足りなくてスーパーでお惣菜を買おうとすると大抵茶色い煮物を買ってくるし、酒が殆ど飲めないのに酒のアテをよく買ってくる。
不思議なことにそれは食べ物全般に言えるようで、買ってくるお菓子にもその傾向は見られる。おばあちゃんの家でしか食わないような煎餅が我が家には常備されている。
私自身こういうものは好きなので、体重と相談しながらポリポリとやっている。食い物の好みが似通っているというのは実に幸せなことだ。
ただ、妻が買ってくる渋い食べ物について一つ気づくことがあった。
やけに商品名が毛筆で書かれたものが多いのである。
パッケージデザインによって買いたい商品が決まる
買い物帰りに妻にまた毛筆のやつを買ってきたと笑いながら茶々を入れていたのだが、そのことに興味を持ち近所の西友で毛筆の商品がどの程度あるかを見てみることにした。
すると分かったのは、同じ商品、例えばポテトチップスでも若者向けとシニア向けでパッケージデザインに一目でわかる差が存在するということだった。そして、シニア向け商品の大部分に毛筆が登場しているのである。
商品名が毛筆で書かれているとそのほかのデザインもどこか懐かしさを感じさせるようなセンスになっており、まず若い人が手に取らないようなものに仕上がっている。
そして毛筆の書体もまた特徴的で、一般的な楷書ではなく頑固親父を想起させるような武骨な書体やあいだみつををほうふつとさせるような素朴な書体が主なのである。
世の中にはこれほどまでにシニア向けの商品が多いということも驚きだったのだが、我々はパッケージデザインの最初の印象で自分向けの商品なのかそうではないのかということを瞬時に判断して購買行動に結びつているというのは更に大きな驚きであった。
相撲字と力士写真ドーン!な雑誌は買いづらい
度々引き合いに出すようだが、本来商品名が毛筆の商品というのは今年で42歳になる私のような人間はターゲットにはされていないようだ。というのもデザインのセンスが自分の感覚とはズレているし、正直言って買う気が全く起きない。
そういう意味で考えると私の妻はかなり特殊な感性を持っていると言えるだろう。何しろ本来ターゲットにされていない商品について「自分が好きだから」という理由でパッケージデザインの壁をぶち破って渋い食い物を平気で買ってくるのだから。
「相撲とは関係ないことを記事にする」というコンセプトのnoteで恐縮なのだが、女性向けの相撲雑誌を数年前に創刊した編集長から話を聞く機会があったのだが、相撲雑誌の最大の問題点は表紙に相撲字と力士の写真がドーン!と出てくる点にあり、よほど好きな人でなければ手に取りづらいという問題点が存在するということだった。
そのためその雑誌では表紙のデザインからこの二つを廃し、相撲雑誌でありながら女性のモデルを起用しスタイリッシュな作りにしていた。私も従来の相撲雑誌のセンスにはかなり抵抗があったのでこの転換はなるほどと思わされた次第である。
まぁそんなことで、我々は知らず知らずのうちに自分たちが買いたいと思う商品を一目で選定しているということが分かった。
私はおじさん向け商品を知らない間に買っている
ただ、私は一つ気になることがあった。
それは、私はもう40代だということである。
現在私は商品が毛筆のようなセンスのことをシニア向けだとすぐに理解することが出来る訳だが、それは自分が若いセンスがあり毛筆がシックリ来ないと感覚的に判断したからだ。
ただ繰り返すが、私は40代なのである。
つまり、全く若くはないのだ。
ここからは私の推測になるが、恐らく40代をターゲットとした商品と10代をターゲットとしたそれとではパッケージデザインが異なるのである。
さすがにシニアと40代を全く異なるセンスでデザインしているということは、同じくらいのジェネレーションギャップが存在する層には別のアプローチをしてくることであろう。
私は毛筆のパッケージを若い視点で面白く見ている部分があったが、そういう私もおじさん層をターゲットとした商品に誘導されているということである。しかも、私はそのようなことを全く気付かずに、だ。
私が今まで取ってきた商品が若い人たちが敬遠するようなセンスなのだとしたら、私の感覚は一体いつおじさんになってしまったのだろうか。別におじさんになりたくないわけではないし、おじさんであることは歴然たる事実だ。
ただ、無自覚におじさんになるというのはかなりショックだ。どうかお願いだから、10代と40代のデザインの差を誰か教えてほしい。これはその差に無自覚なおじさんの切実な願いである。
次回予告:あなたの投票を有意義にする「たった二つの視点」とは?
選挙になると争点とかピンポイントで議論されますけど、誰に投票するか?ということを判断するためのポイントって誰も教えてくれないように思います。
この20年くらい、シンプルではあるんですけど私の方で考えてみましたところ、2点だけ考えると殆ど絞られることが分かりました。
しかもこれ、本当に簡単な基準なんです。
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