インドと日本の香り(アロマ)の道
5月14日のイベントの宣伝もかねて--
インドと日本の香り(アロマ)の道
(日本の心にインド(天竺)を発見)
インドのお香って、サンダルウッド(白檀)が定番ですが、その他にも、ジャスミンとかバラとか、色々な花の香りのものが多いです。
でも、調べてみると、花の香り(エッセンシャルオイル)でお香(火をつけて焚くもの)が作られるようになったのは、中世アラブでアルコールの蒸留法が発明されてから後のことで、
もともとは、花の線香、というのはなかったようです。
それ以前は、インドでも、お香(焚くもの)は、白檀・沈香・樟脳などの樹脂が燃えるウッディーな香りが中心だったようです。
インド占星術の代表的な綱要書である、ヴァラーハ・ミヒラの『占術大集成』には、星占いだけでなく、古代インドの生活に関するさまざまな記述が含まれていますが
その中に、香合わせ (gandhayukti) の章、というのもあります。
古い文献に記される、古代のインド香の内容物を見てみると、よく使われるのは、次のようなものです--
白檀(栴檀)、沈香、ナツメグ、樟脳、ムスク、サフラン、クローブ(丁字)、シナモン(肉桂)などなど。
ちょうど、日本の伝統的なお線香や、匂い袋の内容物に似ています。
バラの香りは、中世になってインドにイスラム文化の影響が入ってきてから普及したらしく、古代インド文献には登場しません。
一方、日本のお香の歴史を振り返ってみると、
お香の調合法は大陸(中国)から渡ってきた、というのですが、
実は、仏教の儀式に使うために、インドや東南アジアの香木・香辛料が、古代インドの調合法とともに中国に入ってていたのを、
さらに日本に取り入れた、というのが実情らしいです。
"和の香り" と私たちが呼んでいる、
お寺や匂い袋の心落ち着く香り、
案外、古代インドの香りなのかもしれないですね。
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(香道の専門家ではないので、ざっくりと、単純化して嗜好の歴史的な流れをまとめてみました。
実際には、ジャスミンなんかは香り高い生花をそのまま供えたりしたので、古代インドの日常には、焚き香の他にも、さまざまなトロピカルで甘美な匂いが満ちていたと思います)