見出し画像

私たちはなぜ「Made In Japan」に魅かれるのか~Country of Originの紹介~

かつて、「フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~」という本が流行したことがありました。

当時、類書も続々と発売され、「フランス」と名の付く本が増えたように記憶しています。

日本におけるフランスのイメージに、「オシャレ」「ファッション」といったことが挙げられるかと思います。

こうしたイメージが、「フランス人は10着しか服を持たない」といった題名と紐づき、読者の興味を引くきっかけになったのではないでしょうか。

実は、私たち消費者は、購買行動をする際に、「国」の影響を受けることがあります。

例えば、日本製の家電製品と外国製の家電製品があった際、なんとなく日本製の方が安心する方が多いのではないでしょうか?また、フランスのブランドの服と聞くと、なんとなくオシャレなイメージに繋がるかと思います。

このように、原産国が購買行動に与える影響を「カントリー・オブ・オリジン(Country of Origin)」と言います。日本語では、「原産国効果」と呼ばれることもあります。

カントリー・オブ・オリジンの研究は、60年代頃からアメリカを中心におこなわれてきました。当時は主に、アメリカの消費者が他国産の製品に対して感じる印象や影響を考慮した研究が多く発表されていました。

日本を対象にした研究もいくつかありますが、個人的に面白いと思った研究にGürhan-Canli & Maheswaran(2000)が挙げられます。

この研究では、日本と米国をそれぞれ、集団主義的な社会と個人主義的な社会に分類し、それぞれの国におけるカントリー・オブ・オリジンの効果を、マウンテンバイクを対象に分析しました。

結果として、日本人は、日本産と外国産の物を比較する際に、その品質が外国産の物と比べて良い悪いにかかわらず、日本産の物を高く評価することが分かりました。

他にも、様々な国の消費者に対して、様々な原産国の影響を分析した研究が数多く発表されており、色々と探してみると面白い研究が見つかるかもしれません。

近年、カントリー・オブ・オリジンの研究は少なくなった印象がありますが、消費者の購買行動に大きな影響を与えるため、未だ重要なテーマの一つではないかと思います。

また、カントリー・オブ・オリジンの応用的なテーマとして、日本国内の地域産業へのイメージ(e.g. 「香川のうどん」は、他県の物より高く評価される?)が、購買行動へ与える影響なども面白いのではないかなあと思っています。

※1: Gürhan-Canli, Z., & Maheswaran, D. (2000). Cultural variations in country of origin effects. Journal of marketing research, 37(3), 309-317.







いいなと思ったら応援しよう!