ルイヴィトンメンズのデザイナーヴァージル・アブローには「十分過ぎるくらい十分です」と伝えたい
こんにちは。
牧 菜々子です。
今年、41歳で亡くなった、ルイヴィトンメンズの現役デザイナー、ヴァージル・アブロー。
SNSでは、失われた才能を惜しむ声が次々に上がりました。
ですが、私は、衝撃は受けましたが、「十分過ぎるくらい十分です。ありがとうございます」と伝えたいなと思いました。
彼がルイヴィトンメンズのデザイナーになってから、ルイヴィトンの旗艦店の半径500メートルは、ルイヴィトンの紙袋を持った男性でいっぱいになりました。
ルイヴィトンのメンズ商品は、リアルに売れていたのです。
レディースでは高価格帯のワンハンドルバッグ「カプシーヌ」(税込60万円台~)のプロモーションに日本でも力を入れ、ドラマ中で松嶋菜々子さんが持っている姿が映るなどもありましたが、レディースでのルイヴィトンの圧倒的な知名度が逆に高価格路線に苦戦を強いた中、メンズでの売上アップというのは大きな功績だったことは言うまでもありません。
もちろん、彼の才能は、この先もっともっと発揮されるはずだった。
ですがそれ以上に、十分過ぎるくらい十分メンズのハイブランドファッションを多くの人に届けたと私は思います。
最期までコレクションを発表したのは、病と闘いながらであったことを考えると、十分過ぎます。
これ以上、惜しい才能が失われたとか、そういうふうには思うことができません。
我が家にも、夫が購入したルイヴィトンメンズの靴とニットが、静かに置いてあります。
わかりやすいブランド品はめったに買わず「お客様はお目が高くていらっしゃるから…」といつもブランド店員さんを落胆させている夫が、「これはいい」と気に入って買ったものです。
現役デザイナーのままこの世を去った、ヴァージル・アブロー。
失われた才能を惜しむのではなく、「十分過ぎるくらい十分です。ありがとうございます」と伝えたいと、私は思います。