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大地の五億年から、大好きな納豆を思う

「暮らしと土は密接につながっている」

この言葉が特に印象に残った、藤井一至さんの『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』📖

地球の歴史46億年の中で、41億年目まで地球に土はなかったそう。

5億年前に植物が上陸したことで、緑と土に覆われた大地が誕生しました。

現在、地球は生き物が確認されている唯一の惑星で、土は地球にしか存在しないのだそうです。

…という壮大な話から、私たちの食卓に並ぶ「ポテトチップス」「納豆」といった身近な食べ物の話まで💡

当たり前のようにある「土」と、私たちの生活を紐解いていく一冊です📝

自ら選ばないジャンルって、面白い

まず、この本を手に取ったきっかけについて📖

大好きな著者の一人・北野唯我さんに「今年読んだ本で一番かも」と言わせる本が、気になって仕方なかったんです💡

加えて、自分では決して選ばないジャンルの本だからこそ、何かの縁かもしれないと思い、手に取りました。

ダイズのほとんどは〇〇産

特に考えさせられたのは、私も大好きな「納豆」に関わる話。

納豆はもちろん、味噌、しょうゆ、とうふなど、日本人の食生活に欠かせない作物の一つがダイズです。

そんなダイズ、ほとんどが外国産だとご存知でしたか?(私は知りませんでした!)

ダイズの自給率は10パーセントにも満たない。
国産ダイズも使用している商品は多いが、90パーセント以上を占める外国産ダイズへの依存度は高い。

大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

自給率の低さにも、実は「土」が関係しています。

もともと、ダイズは貧栄養な土で生きられる特殊な能力を持つのだそう。

だから、日本で栄養状態の良い水田跡地で栽培しようとして上手くいかなかったケースがあるそうなのです。

土を応援!は、ちょっとしたことでいい

何より、輸入ダイズの安さから外国産への依存度が大きくなっているようです。

確かに、納豆も100円前後で安定して買える印象が。

「なぜ安いのか?」を考えることをせず、ただ「安くて美味しいから」として選んできたことに気付かされました。

もし、これから「国産の納豆ごはんを食べたい」と考えたら、私たち消費者にはどんなことができるのでしょうか?

それは、国産を選んで購入することです💡

持続可能な開発目標、食料自給率の向上、食料安全保障という言葉を前にすると、「何かインパクトのある新しいことをはじめなくてはいけない」と気負ったり、「一人の人間に何ができるというのか?」と無気力に苛まれたりしそうなところだが、納豆ご飯を食べることからでも、生産者や土を応援することができる。
暮らしと土は密接につながっているからだ。

大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

「安くて美味しいから」だけではなく、たまには「国産だから」という視点で納豆を購入しようと思います。

それが、日本の「土」を応援することにつながるかもしれませんね。

専門家は常識を重視し、研究者は常識を疑う

最後に、大好きな藤井さんの言葉を紹介して終わります。

科学者にはふたつの顔があると思っている。
ひとつは専門家として、もうひとつは研究者としての顔だ。
日本ではふたつの言葉は混同されがちだが、専門家は常識を重視し、研究者はときに常識を疑うことを仕事としている。
・・・
土にあてはめて考えると、土を教えるのが専門家であり、土に教わるのが研究者だと思う。

私は、専門家でもないし研究者でもないのですが…

「安くて美味しいから」と考えることを放棄せず、「なぜ美味しいのに安いの?」と疑ってみることも、時には必要なのかもしれないと思うのです。

自分では進んで選ばなかっただろう、本書に教えてもらった大切な気づきでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございます🍀

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