第二章 パートナーシップの諸形態 『THE PARTNER SALES』
一括りにパートナーと言っても実際にはさまざまな形態があります。本章では主要なパートナーシップの形について紹介していきたいと思います。原則としてパートナーセールスが関わるのは、自社プロダクトのユーザーを直接的に増やしてくれるようなパートナーです。直接契約に結びつくビジネスモデルとして主要なのは販売代理モデルと紹介取次モデルの2つがあります。
販売代理モデル
文字どおりパートナーが販売行為を代理するビジネスモデルです。このような販売を請け負うパートナーを販売代理店とよびます。メーカーは代理店にプロダクトを定価より安い金額(卸価格)で卸し、代理店がユーザと売買をおこないます。代理店はユーザへの販売価格が売上、販売価格と卸価格の差額を利益として計上することになります。
また、ある代理店がさらに別の代理店に卸すということもあり得ます。(それを許容するかどうかはパートナーとの間で結ぶ販売代理契約で規定することができます。)このような場合、みなさんの会社が直接プロダクトを卸した代理店を一次代理店、その代理店の卸先を二次代理店とよびます。二次販売、三次販売などを許容する場合には、「無理矢理売りつけられた!」「受けていた説明と違う!」と言ったクレームを引き起こさないように、どの代理店を介して販売に至ったのかという商流は把握する必要があります。販売代理店に卸販売を許諾する場合には、卸先の販売行為等に関する監督責任を持ってもらうべきでしょう。
なお、契約は一度締結すればそれで終わりという訳にはいきません。販売条件などを変更する際、販売代理契約を多く抱えていると契約変更の事務手続はそれだけ煩雑になります。例えば、みなさんの会社にパートナーでない販売店から次のような問い合わせがあったとします。「お客様から貴社プロダクトを名指しで注文したいと言われているので弊社で取り扱わせて欲しい」という内容です。今後も戦略的に取り扱ってもらう訳でないなら、むやみに契約を増やさないためにもディストリビュータを介するのが良いでしょう。
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タイトル:THE PARTNER SALES ー3名の営業チームで3,000人の営業組織を味方につける営業理論 パートナーセールスに関す…
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