Nikon 105mm F2.8D micro
今年購入したレンズのひとつ、マクロレンズのAi AF NIKKOR 105mm F2.8D micro。1993年に発売されたこのレンズのレビューはあまり見当たらない。中古相場は¥10,000-¥30,000と比較的お手頃でAFを使えるマクロとしては入門レンズとして程よいスペックかもしれない。
今まで経験しなかった領域にマクロの世界がある。そこでマクロを使ってみたいという衝動に駆られた訳だ。せっかくならしっかり寄れる105mmが良いだろうと調べてみる。するとオールドレンズから最新レンズまで4本があり、そのうちAFが使えるものが3本、手ぶれ補正搭載は2本であった。
まずは気軽にマクロの世界を体験したいため、手軽に手に入るフィルム時代のAiレンズのSレンズもしくはDレンズが候補に。フィルムカメラのF6でも使いたくて可能ならAFをと思い迷いなくDレンズに。
オークションサイトで¥13,000で落札した。マクロレンズかつ中望遠の単焦点がこの価格で使えるのなら安い買い物だろう。実際のところ使ってみると満足いく体験ができた。
まず使いたくなるのが接写。最短撮影距離での描写はマクロレンズならではで、使っていて目から鱗で楽しい気持ちでいっぱいになった。想像以上にピント面が浅くマニュアルフォーカスでは慎重にならざるおえない。息づかいでの微妙な身体の揺れでピント面がズレるのだから繊細なレンズ。しっかり絞り込んだり三脚を使用するなど工夫が必要だと感じた。
使っているカメラにはボディ内手振れ補正があるため、手持ち撮影でも多少の許容はあった。しかしレンズ内手ブレ補正があればもっと自由度の高い撮影が出来るため、本格的にマクロレンズを導入するなら手ブレ補正があると良いかもしれない。
加えて最短撮影近辺で撮影するほどに最小F値が変化するのを覚えておきたい。レンズが前方へ繰り出すためズームレンズを望遠側に動かした際と同様にF値が暗くなる。F2.8-F5というように徐々に暗くなる。最短撮影距離ではF5になるがそれでもよくボケる。むしろボケすぎるためこの辺りのコントロールは必要だ。そうなるとシャッター速度を遅くしたりISOを上げるなどになるため、ボディ内手ブレ補正や高感度耐性のあるカメラが必須になると感じた。
マクロレンズは寄って使いがちだが、中望遠レンズとしても十分な描写になる。F2.8で中〜遠景ではピント面がしっかり解像されており前後のボケもちょうど良い。
総じてマクロレンズ入門としては良いレンズだと実感している。今後マクロレンズを検討している人はぜひ候補に入れていただきたいレンズ。