maiomai

フランス在住→家族で日本へ一時的に帰国中。日仏翻訳家兼ライター。 現代ビジネス⇨https://gendai.ismedia.jp/list/author/maioono ランドリーボックス⇨https://laundrybox.jp/magazine/authors/mai

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フランス在住→家族で日本へ一時的に帰国中。日仏翻訳家兼ライター。 現代ビジネス⇨https://gendai.ismedia.jp/list/author/maioono ランドリーボックス⇨https://laundrybox.jp/magazine/authors/mai

マガジン

  • 突然日本の小学校に転入したフランス生まれの双子の話

    フランスに生まれ、ほぼフランス語で育ってきた8歳の双子が日本の小学校に転入。彼らの冒険記録。

  • フランスでロックダウン

    コロナウィルスの蔓延を抑えるべく、突然フランスで始まったロックダウン生活。夫と子供2人との日常生活のほぼ全てが止まったこの状況で個人的に感じることを徒然と。

  • グローバルスタンダード

    グローバルスタンダードはどこにあるのか?何がどうスタンダードなのか?

  • 親子

    親と子というテーマはありふれているようだけれど、時代によって、そしてコンテキストによって語られる内容も変わってくるもの。

  • 本など

    仕事のこと、好きなことについて

最近の記事

左エクボのスターへの追悼のようなもの

高校の時に隣のクラスにいた男の子が世界的な超有名人になった。 その子が先日、突然スキーの事故で亡くなった。 もちろん、私も世界中の人と同じようにニュースでそのことを知った。 高校の時だって顔を知ってるだけだったし、言葉を交わしたことすらなかった。恐らく向こうは私の存在すら知らないだろうというくらいの人だ。 彼は高校の時は俳優業もほぼまだしてなかったはずだ。卒業後はクラスの子たちともほんの数人を残してだんだんと疎遠になり、それからさらに数年経ったらもう顔も名前も思い出せ

    • 驚かないという柔軟性

      ほぼ日本語がわからない中で突然、フツーの日本の小学校二年生に転入したフランス生まれフランス語育ちの我が家の双子。 私は学校が始まる前から色々と心配をしていた。 まず彼らは日本語ではほぼ何もコミュニケーションが取れない。トイレはどこですかだって聞けない! 話しかけても理解できないから反応ができない。となるとお友達ができないんじゃないか。 それに学校生活の何から何までフランスとはやり方が違う。 登下校は子供だけでするということから始まり、給食は教室で食べるし、食べる時間

      • 新たな冒険

        フランスで生まれて育ち、家でもほぼフランス語のみで育った我が家の8歳になったばかりの双子。この夏から、日本のとある市立小学校の2年生に編入した。ひらがなだったらある程度は読み書きができるけど、それ以外は何もできない状態で新しい冒険は始まった。 子供達は日本人の私とフランス人の夫の日仏家庭で育ち、教育は3歳の幼稚園から日本の2年生に当たるCE1まで全て現地の公立だった。私自身がフランスで一部教育を受けたということもあり、フランス人の夫とも家庭内ではフランス語がメイン(ただし、

        • 北欧のTVドラマにハマった理由

          つい先日、デンマークとスウェーデンの合作のTVドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」を見つけて鑑賞。2カ国の刑事たちが、難解な事件を解決していく。ハラハラドキドキ、そして北欧というちょっと見慣れない景色の中でストーリーが展開していく。慣れない言語に知らない風景。それだけでもとても観る価値はあると思うんだけど、私は別の意味でショックをうけて、ハマってしまった。 それは2話か3話くらい見て気づいた。 女性が男性と完全に対等、なのだ。 これだけいうと、なんだそんなことか、と

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        • 突然日本の小学校に転入したフランス生まれの双子の話
          2本
        • フランスでロックダウン
          4本
        • グローバルスタンダード
          6本
        • 本など
          5本
        • 親子
          10本

        記事

          ベジタリアンとアンチ飛行機の小学生たち

          フランスで小学生の双子の子育て中の私が最近気付いたことをつらつらと。 つい先日、お昼ご飯に娘の親友を呼んだ。簡単にミートソーススパゲッティと思って出したら、友人でもある彼女の母親が笑いながら「気にしないでね。でも彼女、今ベジタリアンなのよ」。 7歳児が家族の中でたった一人でベジタリアンになることとかあるんだと驚いた。親がベジタリアンだから子供も、とか、あるいはムスリムの家庭だから子供たちも豚肉を食べないとか、そういうのは簡単に想像がつくが、この年の子供が自己意志を強く示し

          ベジタリアンとアンチ飛行機の小学生たち

          モルドバや将来の夢

          少し年上のお友達のEくんはうちの二人に優しくて学校でも一緒に遊んでくれることもある。ある日二人が驚いて帰ってきた。Eくん、フランスの大統領の名前、最初の人から順番にぜーんぶ言えるんだよ!と。そして、「将来は大統領になりたいんだって。きっとなれるよね、だってフランスの大統領の名前全部知ってるんだから!」なるほど、それはすごい。(あれ、私絶対言えないや、と思ったのは内緒)。 この年齢の子供たちにとっては「大統領」になるということも「宇宙飛行士」になることも「学校の先生」になるこ

          モルドバや将来の夢

          バカンス明けのフランスにて

          バカンスが明けたらそこはロックダウンとテロ警戒レベルが引き上げられた世界になっていた。 == フランスは、3月のロックダウンから制限がかかった生活が続いている。その中で工夫をしながらそれなりに生活をしていたけれど、またロックダウンということになり、前回よりは緩やかだとは言いつつも、どこかで後戻りしたということは無視しきれず、どうしても前向きになるのが難しい毎日。 それに畳み掛けるように、10月16日には中学校の教師が斬首されるという身の毛もよだつ事件が発生。続いてロック

          バカンス明けのフランスにて

          かもしれない

          新型コロナが世界に蔓延し、もう誰がかかってもおかしくない状況。私の暮らすフランスは全国民がロックダウンの状態だが、それでも日々感染者数は増え、死亡者数も残念ながら増え続けている。ピークは今週か来週と言われている。でもそれを超えたとしてもまだまだ収束というわけではない。 つまり、本当に誰がかかってもおかしくない。 そう。なのになぜか、(今や新型コロナ中心地の欧州だが)ここ(家)にいれば大丈夫と思っている自分がいた。もしかしたらお隣さんがかかっているかもしれないってことだよね

          かもしれない

          少し前のことが昔のように

          火曜日からさらにこのロックダウン状態の人々の生活に厳しい規制が加わった。 フランスでは週に定期的にマルシェ(市場)が街中にたつのだが、もうそれも禁止となってしまった。 また、ちょっと散歩をするのも一人ずつ、一日一度、家の周辺1キロ以内という厳しい内容に。 子供達を連れて毎朝少しだけ外に出て歩くのだが、そもそも一軒家の多い私たちの暮らす町は死んだように静か。8月にフランス人たちはこぞってバカンスに行ってしまうのでその時期には町がとても静かになるのだが、今はみんな家にいるは

          少し前のことが昔のように

          予定がないという圧迫感

          妙な圧迫感がある。ほぼ外出をしないということもその理由の一つなのだろうが、もう一つはおそらく、予定が全くない状態、ということに理由がある気がしている。 毎日の生活は、朝起きて仕事して子供を迎えに行っておやつ食べさせて宿題させてご飯食べさせて寝かせる。みたいな大まかな流れがある。 本当に、私たちの生活は「予定」という近未来の出来事によって支えられていたのだなと痛感する。 それ以外の日も、今週末はお客さんが来て、来週末は友人たちとピクニック行って。それからそうだ、来月のイー

          予定がないという圧迫感

          フランス、コロナウィルス対策で外出禁止になるまで(備忘録)

          普段の日常生活がある日突然止まる。 そんなことがまさか私の身に降りかかるとは思ってもみなかった。そして誰かがそんな力を私が暮らす社会に対して発揮できるなどとは想像したことすらなかった。私は平和しか知らない世代/社会の人間。環境問題とか貧困、本当は私の生きる社会にもいろんな問題が目の前にある。けれどそれを知らないふりして生活できてしまう社会で生きてきた。 それがあっという間に、まさかのウイルスのせいで、自宅から出ることすら自由にできない生活となった。 === 2月はどう

          フランス、コロナウィルス対策で外出禁止になるまで(備忘録)

          子供の絵

          忙しい育児の日々の中で時々ふと、過ぎていった3年半を振り返ると時の経つスピードの速さに驚かされる。 そしてたったの3年半という時間であんなに壊れそうだった新生児の二人が立派に口答えをするくらいに成長したということに唖然としてしまう。 大人の時間を生きる私たちからしてみたら3年半でこんなに大きな成長はいくら頑張ってもできないのだからちょっぴりうらやましい。 そんな急ピッチで成長する双子達を見ていて最近面白いのが「絵」。 子供は絵を描くのがこんなに好きなんだ、というのがま

          子供の絵

          パン屋さんから和菓子屋さんに変わったけど

          道徳の教科書に出てくるパン屋さんを和菓子屋さんに変更修正したという話。文科省が「伝統文化の尊重や郷土愛などに関する点が足りなかった」と指摘したからこの部分を出版社が変更したということだけど。 パンというのは歴史が浅いから「伝統的」ではない、というとすると。例えば羊羹なんてちょっと調べたら19世紀にようやく今の形になったものだとわかるし、パンが最初に日本にやってきたのはそれより前の16世紀。さらに、今知っている(カステラとか以外の)和菓子のほとんどは江戸時代に発展したらしいの

          パン屋さんから和菓子屋さんに変わったけど

          本当の日本のイメージ

          海外に行けば日本人は礼儀正しいから喜ばれるだとか、国によっては親日派(この言葉もよく分からないが)がどうとかよく聞く。 フランスのことに限って言えば、たしかに日本へ行くフランス人の観光客も増え、日本という国への一種の憧れはどんどん強くなっていると感じる。そして日本語学習者だけではなく、日本についてやたらと詳しい人が増えたのも確かだ。ここ数年めっきり和食ブームだし。 だが。一方でごくごく一般的な大半の人々にとって日本とはアジア圏にある国、つまり広く言って「海外」というだけで

          本当の日本のイメージ

          サービスって何?

          いわゆる消費社会では客として、日常的にあらゆる「サービス」を受けるのが「消費者」である。・・・というのは実はそんなに単純なことではない。 ここで話したいサービスとは、サービス産業とかのサービスではなくて、「このホテルのサービスは格別だ」、とかいうときのように、待遇の質とかを指すサービスのこと。 何が言いたいかというと。 まず。フランス社会で(日本の感覚で)生きているといろんな壁にぶちあたる。そのうちのひとつがこの「サービス」である。日本では当たり前といわれることがこちら

          サービスって何?

          責任者は誰?

          様々な状況下で、「責任者が見つからない」、という状況によくぶちあたる。 例えば日本の場合は、これはあなたの責任じゃないでしょ、という人に謝られたりするのである意味本当の責任者が見えずにイライラする。➡とりあえず謝ればいいというスタンス。偽善者。 フランスの場合は誰も責任者にならないので怒りが解消されずにイライラする。➡絶対自分は謝らないというスタンス。無責任。 あなたならどちらがいいですか?

          責任者は誰?