パン屋さんから和菓子屋さんに変わったけど
道徳の教科書に出てくるパン屋さんを和菓子屋さんに変更修正したという話。文科省が「伝統文化の尊重や郷土愛などに関する点が足りなかった」と指摘したからこの部分を出版社が変更したということだけど。
パンというのは歴史が浅いから「伝統的」ではない、というとすると。例えば羊羹なんてちょっと調べたら19世紀にようやく今の形になったものだとわかるし、パンが最初に日本にやってきたのはそれより前の16世紀。さらに、今知っている(カステラとか以外の)和菓子のほとんどは江戸時代に発展したらしいので、17世紀以降。パンより新しい。どら焼きは立派な「和菓子」だけどこれに至っては今の形は1914年に出来上がっている。伝統ってなんだというんだ。これだけ古ければ十分に「我が国の文化と生活」に馴染んでいるものなのでは?
いやいやパンは「外来」のもので日本独自のものではない、「郷土愛」に繋がらない、というとすると。パンが伝わったその同時期にカステラとか金平糖(南蛮菓子)という「和菓子」の原型がスペインやポルトガルから伝わってきたとか。だったら今ある和菓子だって結局、立派な「外来」。
こっちでは何十年もパン屋に並ぶものの種類が変わらない。ところが日本のパンや駄菓子、お菓子には流行りがあり、どんどんと新しいものや季節限定ものが出る。新しいもの好き、それもいいところなんじゃないのか?これは道徳的ではない、とか言われる時代ということ?だとしたら怖すぎる。
今、例えばパリではあんぱんやメロンパンを出す日本人が経営するパン屋が人気を博しているがあれはいわゆる日本的なものではない、と?
とにかく流れに乗っかって考えてみたけど、結局この修正の意図が全くわからなかった。