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モルドバや将来の夢

少し年上のお友達のEくんはうちの二人に優しくて学校でも一緒に遊んでくれることもある。ある日二人が驚いて帰ってきた。Eくん、フランスの大統領の名前、最初の人から順番にぜーんぶ言えるんだよ!と。そして、「将来は大統領になりたいんだって。きっとなれるよね、だってフランスの大統領の名前全部知ってるんだから!」なるほど、それはすごい。(あれ、私絶対言えないや、と思ったのは内緒)。

この年齢の子供たちにとっては「大統領」になるということも「宇宙飛行士」になることも「学校の先生」になることも「小説家」になることも(すべてうちの子供達の将来やりたいこと。そして毎日変わる。)すべて同レベルに存在している。それこそが子供の強みだし、だからこそ子供は未来の希望というわけだ、と改めて思う。

娘に「そうだよね。サナだって大統領になれるよ。もしなれたら初の女性大統領だねー」と言ってみる。(ちなみに日本の首相でも初の女性首相だけど、フランスの「初女性大統領」の方がまだ可能性がありそうな気がするというのは置いといて…)

娘はまんざらでもないと言う笑顔を浮かべ、「そっか。あ、モルドバの大統領は女の人だねー。」などと突然言う。

「え?」

思わず私と夫は聞き返していた。

「モルドバの大統領だよ。Aちゃんがクラスでモルドバについて発表したんだけど、その時に教えてくれたの」

おー、知らなかった〜。恥ずかしいけど、娘に聞いて初めて調べてみた。そうしたら確かに、とても優秀そうな女性が昨年末から大統領になっている模様。

ちなみについ先日、世界経済フォーラムの「世界ジェンダー・ギャップ報告書」で日本は156国中、120位という恥ずかしすぎて情けなさすぎる結果が発表さればかりだけど。

モルドバは28位。デンマークの一つ上、でした。

娘のクラスでは、娘が(思いつきで提案して)日本についての発表をして以来、順番に子供達が好きなテーマで発表をするようになった。だからAちゃんは自分の出身国(というか多分親の出身国だけど)であるモルドバについて発表をしたというわけだ。

こうして子供達は自分の国のことや好きなことを発表してそれをクラスの子供達がこうやって吸収する。いろんな国の文化を知っている子供達が、一つのクラスで一緒に学ぶということの素晴らしさを実感した瞬間だった。それと同時に、モルドバだろうがアメリカだろうが、今の娘にとってはどちらが遠いも近いもないし、どちらがより重要とかいうこともない。純粋に学ぶということ。

本当に子供達の世界というのはある意味ですべてが同レベルにあって羨ましい。近いも遠いもほぼない。夢も世界も全部が開かれている。これが、なんだって可能だということなのだろう。「それは無理だ」とか「現実的でない」とかそういう感覚もない。

お母さんは宇宙飛行士になりたい?と聞かれて、なりたくてももうなれないよ、と言わなきゃいけない年になったけど。子供達には「なんだってできるよ」と言い続けていると、少しだけ私自身の世界も広がったような感覚になれる。

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