【ただの日記】　ヒントは口元

「波動が高いかどうかは、男性は目でわかるし女性は口元でわかる」

これは、最近ふと見かけて以来、なんだか心に残って離れない言葉だ。

こういう「この世の真理です」みたいな顔した、言い切り方の格言みたいな投稿はどちらかといえば苦手な方だった。
でも、不思議に心に残って離れなかった。

それからというもの、男性の目と女性の口元をよく観察する日が続いた。

思い返せば、この夏出会った心から尊敬する男性は、目が信じられないほど澄んでいて、見つめていると怖いくらいだった。
めちゃくちゃな人なのに、愛さずにはいられない。
なぜならその人が、本当にどんな人でも人間であれば必ず愛しているから。
そんな神様みたいな人だった。

一方で女性は、どうだろう。
尊敬する上司は少し出っ歯なんだけど、それでも可愛らしいと思うような魅力的な口元だ。
いつもにっこり微笑みを湛えている。たとえ忙しそうな時に声をかけたとしても。
他方、電車の中でぶつぶつ文句の独り言が止まらない女性は、もう曲がってしまって二度と戻れないような口角をしていた。
確かに、女性は口元なんだろう。
どうやらそれは間違いなさそうであった。

……そんな私は、電車に映った自分の顔を見て驚いた。
なんとまあ、口角の下がっていることよ。
ニュートラルな真顔だと自分で思っていたものは、機嫌の悪そうなむっつり顔だった。

微笑みは、自分の見積もりの8割ぐらいしか出力されていないみたい。
いつもにっこりしているくらいが、きっと真顔に見えるのだろう。
そんなふうに自分を戒めるのであった。

少しでも心を整えて、口角を上げて過ごすのが最近の私の目標だ。
口角はメンタルの安定を示すバロメーターとして、大事にしていきたい。

《おわり》