ヒポクラティック・サナトリウムでの断食経験
ゴールデンウィーク終わりから10日間、伊豆の#ヒポクラティック・サナトリウムで#断食をしました。身体は軽く、そして心は温かくなった体験でした。
きっかけは、膵臓に腫瘍が見つかったことです。今は悪性ではないものの、悪性になりうるものということで、今後半年ごとの経過観察になりました。
考えてみたら、加工食品三昧、毎日の酎ハイに加え、在宅で下手したら4日ほど1歩も外に出ないまま夜までパソコンに向かう生活の50代が、何もないはずはないよな、と思いました。
少し前にセルコンという美容・健康メソッドを学び、既に#プチ断食、玄米食等は実行していましたが、たまりたまった毒素を排出、#デトックスをするため、本格的に断食がしたい、でも一人じゃできない、やるなら専門のところに行って、周辺知識を学びながら正しい断食がしたいと思い、インターネットで調べて「ヒポクラティック・サナトリウム」に行きつきました。手法を間違うと危険も伴うことになる断食に、お医者様がいらっしゃるということも安心材料の一つでした。日本中に名の知れた政治家の方やスポーツ選手等も多く訪れるそうで、実際私の滞在期間中にもいらっしゃいました。
空腹に耐えられるだろうか、途中で体調に異変が起きたらどうしよう、とドキドキしながら、電車、バスを乗り継ぎ、自然豊かな伊東にあるサナトリウムに到着しました。
私の宿泊する建物は「はなれ」で、築年数は長そうですが、シンプルなアメニティ付きの清潔なお部屋に通してくれました。
すぐに、院長である石原先生の診察をしていただきました。
腫瘍をはじめ、高血圧や緑内障、その他さまざまな不調の原因は、冷えと水分を排出できてないことと言われました。確かに、思い当たるふしがあります。
先生のご指示で、私は「半断食」となり、朝はスープ、昼はジュース3杯、夜は重湯となりました。冷えがひどい方だったからだと思います。
正直ほっとしました。生まれてからこの方、食べないということがめったになく、体調を崩してもたいていは食欲だけはあり、こんなに食べないという人生初の経験に耐えられるか不安だったからです。
そして到着したその日は「正食」となり、普通の食事でした。いえ、普通というには豪華すぎました。すずきのあんかけ、レンコンの明太子和え、アスパラとパプリカの煮もの等、おいしく、おいしくいただきました。明日からの断食生活の成功を祈りながら・・。
次の日の朝8時のにんじんスープ、びっくりするほど濃厚で、奥の深い味でした。食堂に置いてあるしょうが汁や、黒ゴマをかけていただきました。10時には塩分補給のため、具なしのお味噌汁、お昼のにんじんリンゴジュースは、逆に思ったよりあっさりと飲みやすく、レモンを加えても酸っぱすぎない、さわやかな味になり、これなら続けられる、と思いました。午後3時には、ローズヒップティーでビタミンCの補給、そして待ちに待った午後5時には、重湯（お味噌汁、梅干し、大根おろし付き）でした。
断食2日目は月曜日となり、#サナトリウムうからテレワークが始まりました。ですがまだ1日目の余韻が残っていたのか、空腹はほぼ感じませんでした。つらくなったのは3日目午後から・・。「おなかすいた」という文字が頭の中をぐるぐるする。半断食でこれだけお腹すくんだから、通常の断食や、サナトリウムではやっていない水断食は本当にひもじいだろうな・・。でもみなさん、ゴルフに行ったり、近くの温泉に行ったり、アクティブに活動されていました。ちなみにみなさん、ご友人同士や家族で来ていたり、独りでも他の独りの方と仲良くなったりされていましたが、私は、内気キャラな上、平日は食堂でジュースをいただいてもすぐに仕事に戻らなくてはならなかったので、基本独立独歩でいこうと思いました。みなさんの健康談義、かなり気になりましたが・・。3日目は合わせて、頭痛と吐き気、眠気がやってきました。でも、この頃の頭痛は正しくデトックスできている証拠とのこと。がまんできないほどではなかったので、なんとかしのいで仕事しました。
部屋に置いてくれている黒砂糖、塩、ショウガ湯、紅茶のありがたいこと！スプーンに黒砂糖をすくって、塩をかけて食べたらハッピーターンの味がした！と会社でのオンライン会議でまくしたてていました(笑)。
温泉には、毎日1，2回入りました。私が滞在した期間、寒い日が多く、この温泉にはかなり助けられました。変成片岩という石が入れられており、手足がじんじんと温まりました。人がいなさそうな時間に行って、露天風呂に浸り、ああ幸せと思いました。あがってしばらくした後も、身体の中から熱が出てくるようで、しばらくほかほかでいられました。近くには一碧湖や大室山があり、ガイドツアーも企画されていましたが、平日はオンラインで仕事だったので、それには参加せず。ただ、休憩時間にサナトリウムのまわりを何度か散歩しました。人とすれ違うことはほとんどなく、たまにお家の手入れをしている人を見かけるだけ。そんなマイナスイオンあふれた、木々がいっぱいの道を木漏れ日と共に歩き、また幸せを感じました。ホーホケキョの鳴き声は10日間の滞在中500回くらい聞いたのではないかしら。
昼間のツアーには参加できませんでしたが、朝や夜の、石原美華さんが行っているヨガや、他の先生のストレッチ体操、瞑想のクラスにほぼフル参加しました。ふだんゆっくり身体を伸ばしたり、身体や心の声を聴くことがないので、ゆったりとした良い時間に癒されました。
そして、土日には、エステと鍼灸を予約しました。海水・海藻・海泥を用いたタラソテラピーエステは奥様エレナさんから受けました。スペシャルパックや吸引、そして眠ってしまいそうなハンドマッサージで、お肌がワントーン明るくなりました。そしてエレナさん、私が膵臓の腫瘍がきっかけで来た話をすると、すぐその日に、膵臓含む臓器を元気にする瞑想のクラスを開いてくださいました。前もって予定にはなかったので、もしかしたら、私の話を聞いて急遽開催してくださったのかもと思っています。エレナさんは、朝のジュースの時間に、一人ひとりテーブルをまわって様子を聞いてくださったり、時には厨房に入ってヘルプしていたり、優しい気づかいにじんときました。
治療室の先生からは鍼灸を受け、あまりのうまさにびっくりしました。今まで鍼灸を受けたことはありましたが、こちらの先生は、つぼの中のつぼをしっかり響かせるような刺激で、身体がとてもすっきりしました。長い間取れなかった首の痛みも取れました（根が深いそうで、また戻ってしまうと言われましたが）。東京でよい鍼灸院がないか聞きましたら、みんなに聞かれるけど特に分からないとのことで残念！
土曜日チェックインし、10日後の月曜日にチェックアウトだったので、日曜日の石原先生の健康講演を2回聞くことができて、ラッキーでした。早口で、おもしろおかしくお話されるので、メモをとっていても1回だとなかなか覚えられませんでしたが、2回聞くことにより記憶が定着したように思います。「少食」「身体を温める」「筋肉をつける」こと等の重要性を、その根拠と共にユーモアたっぷりにお話されるので、2時間半があっという間でした。
そして肝心の断食ですが、頭痛は4～5日にかけてましになっていき、6日目には完全になくなり、身体がすっきり軽くなりました。体重は2キロほど減りました。その他、身体の内部の状態は検査をしていないのでわかりませんが、きっとよくなっている・・と思っています。
回復食では、食べる喜びを味わいました。味が濃く、おいしく感じることは予測していましたが、久しぶりの歯ごたえを感じました。赤ちゃんが初めて歯を使って食事をすると、こんな感じなのか・・と思いました。
断食は、もちろん、その実行に意味がありますが、それを自宅ではなく、このサナトリウムで実行する意味はそれ以上でした。もちろん、食の誘惑のある環境から離れるという一義的意味がありますが、ここで、石原先生や、副院長で娘さんの新菜先生の講演等から習ったことを日常生活に持ち帰ることがとても重要と思っています。必要な栄養素はとる一方で、空腹の状態を作って臓器を休ませ、白血球の働きを促進し、細胞の自食作用を促す、身体を温める、運動する、そして呼吸を意識し、瞑想により心を整える。
診察では、温めること、運動することで、病気になることを防ぐことができる可能性を示唆くださいました。
考えてみたら当たり前のことを当たり前にやることなんだ、とつくづく思います。それが難しいのだけれど。
しかし健康に待ったなしの状況の今、なんとか自分の生活に落とし込みたいと思います。そして、その経験を、同じような不安を持つ人に伝えていきたい。
人生には、家族、友人、仕事、家、お金など、必要なものは多いけれど、どれも心身健康あってのことです。この思いについて何らかの発信をしていけたらと思っています。
今回、先生やみなさんに、顔を早々に覚えていただき、どんな時もいやな顔ひとつせず対応してくださったスタッフの方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
ところで、肝心のニンジンスープや、ジュースの写真を撮ってないことに帰ってから気付きました（汗）。ジュースの写真は、いろんな方がネットにあげています。ヒポクラティック・サナトリウム
＜後日談＞
断食から帰って1週間経過し、何が変わった（変えた）かというと・・。
・体重が減ったまま（約２kg減）。ウエストもキープ
・食事の回数・量が減り（飲酒もほぼなし）、発酵食品や野菜中心となった。
・身体を温めるようになり、身体が軽くなった。肌の調子もよくなった。
・気分があまり落ち込まなくなった←これが一番大きい＆嬉しい！！