マガジンのカバー画像

おいしい観察。

17
ヒトと街の観察集団「おいしい観察。」の、フィールドワーク日記のマガジンです。月イチで実施している定例フィールドワークを軸に、メンバー個々人のふとした日常の気づきや違和感も書いてい…
運営しているクリエイター

記事一覧

イオンモールは十徳ナイフ。 #おいしい監察 #フィールドワーク

先月の6日にフィールドワークを行った。場所は、イオンモール多摩平の森。そのアウトプットを書かなければ……と思いつつ長らく筆が進まず、気が付けば残暑も落ち着き9月の終わりが近づいているではないか……。 ここまでくればもはや遅筆というより完全に怠慢。言い訳をする余地もないほどの申し訳無さを抱えつつ、記憶の断片とノートのメモを頼りに、フィールドワークの感想をここに記しておこうと思う。 今回の観測テーマは、「イオンモール多摩平の森にいるスタバの人たち」。普段渋谷周辺を拠点に活動す

夏休みのショッピングモールに渦巻く「欲」とは!?~第4回おいしい観察。座談会~

さあ、今月のおいしい観察は、「夏休みのショッピングモール」。 イオンモール多摩平の森を、メンバー5人で観察してまいりました! 観察のあとの座談会の様子を、私、こやまがちょこっとだけご紹介。 夏休みのショッピングモールには、どんな「欲」があるのでしょうか? 【メンバー紹介】 ころさん:某マンガアプリの編集長。関西弁がキラリと光るさわやかお兄さん。 マチネ林さん:フィールドワーク初参加。平野啓一郎『マチネの終わりに』が好きすぎて、「林」から「マチネ林」に改名。 さとまきさ

【ハッシュタグ企画】8月のテーマ『夏休みのショッピングモールを観察する』 #おいしい観察

夏本番の八月!死ぬほどアツい日々が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。。。「おいしい観察。」の我々はそんな時でも「人はどんなところで何をして涼むのか?」について観察しがちな日々を過ごしてますw そんな中で今月から新しい試みとして、ハッシュタグ企画を始めたいと思います! 【おいしい観察。について】 メンバーが気になる場所に赴き、そこに集まる人やモノ、空気感をいろいろな角度から観察し、その場所の多様性を言葉で表現することで「場と人の欲望」を考える活動体。2017年5月の

観察の基礎知識「まとめ」

まとめておきます!さかのぼりやすいかなあと思い。 ~~~ ①「言っていること」「行うこと」「行っていると言うこと」 ②「溶け込み」 ③「4W1H」 ④「シャドーイング」 ⑤「フォーカスポイント」 ⑥「装備と最低限のマナーについて」 ~~~

観察の基礎知識⑥「装備とマナー」

「共通言語」っていうよりは、最低限の「共通認識」のために! === 装備について: フィールドワークっていっても、野山にいく系のフィールドワークではなく、都市型人文系なフィールドワークなので、カンタンではありますが。 1.メモ帳+筆記具 なるべく小さいものがいいです。大きいと「記録をとる」という行為がめっちゃ目立って、「溶け込み」が解けてしまうので、なるべくさりげなく記録できる小さなメモが理想的。 2.スマホ 写真用。ただ撮影には細心の注意で、トラブルの原因にならない

観察の基礎知識⑤「フォーカスポイント」

フィールドワークでの観察にルールとかセオリーって、基本はそんなにないです。学問っぽい領域までいけばいろいろとあると思うんですが、大前提大事なのは、その人個々人の着眼や違和感を大事にするってことだと思います。とはいえ、「自由でいいって、一番どうしたらいいのか困る」という人もいると思うので、ヒントがてら、どこを見たらいいのか、「フォーカスポイント」の例を書いてみます。 === ☆例えば、ある駅でのフィールドワークだとして… 1.環境:あるエリアを決めて全体的に眺める。 例:

観察の基礎知識④「シャドーイング」

人間観察/フィールドワークの手法の一つに「シャドーイング」というものがあります。観察対象の「影」となって、その人の行動をトレースして行っていく、というもので、一種の尾行ですw 観るともなく全体をみる、という観察アプローチももちろん面白いのですが、このシャドーイングのように「ひとつの観察対象をずーっと寄りで見ていく」というアプローチも結構面白い。特に観察者である自分とかけ離れていそうな相手ほど、自分の想像の範疇外の発見があることも。追体験することで、「ここでこういう行動をする

観察の基礎知識③「4W1H」

フィールドワークをするうえで、対象の「何を見たらいいのか」。特に決まりはないし、観察者個々人の眼を通じて感じたことを記録するのが一番ではありますが、一つ、特徴的な考え方を紹介します。 4W1Hというやつです。 え、5W1Hじゃないの?一つ足りなくない?って思った方がほとんどかもしれませんが、フィールドワークではまず「4W1H」がいい部分も少なくありません。 ~~~ Where: どこで? ・どんな場所なのか? ・関連性のある特徴はどのようなものか? When: いつ?

観察の基礎知識②「溶け込み」

フィールドワークをするときの重要な論点に、「観察者自身の存在をどうするか?」があります。フィールドワークの最大の目的は、観察対象のありのままを事実として(まず解釈を差し挟まずに)観るというところがあり、そう考えると「観察者自身の存在」は、ありのままの状態を変えてしまうわけです。インタビューの限界はそこにあって、「インタビュアーという存在が、そもそもありのままの状態じゃないじゃん」というわけです。ただ、無にすればいいってものではなくて、段階があると言われておりまして、 存在感

観察の基礎知識①「言ってること」「行うこと」「行っていると言うこと」

「おいしい観察。」における、人間観察とそれにまつわるコミュニケーションが、いい感じで盛り上がったり発展したりすることを願って、ちょっとずつ僕の知っている「観察」にまつわる言葉や考え方をこれから連載して書いてみたいと思います。「Paro Alto Research Center」通称PARCのビジネスエスノグラフィ&フィールドワーカーの資格をなんだか持っておりまして、そこで知ったことをちょろちょろ書くので、面白がっていただければと思います。 その①== 文化人類学者で、初め

後編「おいしい観察。」座談会 巣鴨とげぬき地蔵篇

7/2の日曜に、 第3回目の「おいしい観察。定例フィールドワーク」を、 巣鴨とげぬき地蔵にて行いました。 朝10時に高岩寺に集合して、 各自2時間のフィールドワークを行いました。 その後、喫茶店に入り、今日1日の行動を話し、 その時気づいたことや、 感想などを共有して議論しました。 その時の議論の様子を、 前編と後編、2回に分けてお届けします。 ▶︎(前編はこちら) 【メンバー紹介】 はらこー)大学生、書籍編集志望 むー)社会人、漫画編集志望 ジョー)映画プロデューサ

前編「おいしい観察。」座談会 巣鴨とげぬき地蔵篇

7/2の日曜に、 第3回目の「おいしい観察。定例フィールドワーク」を、 巣鴨とげぬき地蔵にて行いました。 朝10時に高岩寺に集合して、 各自2時間のフィールドワークを行いました。 その後、喫茶店に入り、今日1日の行動を話し、 その時気づいたことや、 感想などを共有して議論しました。 その時の議論の様子を、 前編と後編、2回に分けてお届けします。 ▶︎(後編はこちら) 【メンバー紹介】 はらこー)大学生、書籍編集志望 むー)社会人、漫画編集志望 ジョー)映画プロデューサ

「巣鴨」を観察。―時間が入り乱れる街―

巣鴨を観察しに行きました。 「お年寄りの街」というイメージの強い巣鴨でしたが、まずはじめに目に入ったのは7歳くらいの女の子。この日はお祭りがあったので、ゆかたを着ていたのですが、帯に差していたのは「明日のナージャ」のうちわ。「明日のナージャ」はわたし(大学生)が幼いころに見ていた、15年近く前のアニメです。年の離れた姉妹か親戚から譲り受けたものなのか、それとも未だに巣鴨ではナージャのうちわが売っているのか…? つづいて気になったのは、とある喫茶店。店内は喫茶店のはずなのに

巣鴨を「おいしい観察。」 ~コミュニティには真ん中が必要だ~

「おいしい観察。定例フィールドワーク」の第三回目、7/2の日曜に巣鴨の回を実施しました。梅雨間の晴れで非常に暑かったんですが、朝顔市と重なったこともあってかにぎわい多く、観察甲斐のあるフィールドでございました。気付きのメモを書いてみます。 とげぬき地蔵尊が巣鴨を巣鴨たらしめている。 まず観察したのがとげぬき地蔵尊と呼ばれる高岩寺。三方に入口があり、中のベンチではおじいちゃんおばあちゃんだけでなく、親子連れも何をするともなく座っていたり、自分の悪いところを柄杓で洗うとよくな