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観察の基礎知識③「4W1H」

フィールドワークをするうえで、対象の「何を見たらいいのか」。特に決まりはないし、観察者個々人の眼を通じて感じたことを記録するのが一番ではありますが、一つ、特徴的な考え方を紹介します。

4W1Hというやつです。

え、5W1Hじゃないの?一つ足りなくない?って思った方がほとんどかもしれませんが、フィールドワークではまず「4W1H」がいい部分も少なくありません。

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Where: どこで?
・どんな場所なのか?
・関連性のある特徴はどのようなものか?

When: いつ?
・1日の、1週間の、…歴史上の、どの時点で起こっているのか?
・時間が出来事の起こり方にどうかかわっているのか?

Who: だれが?
・どんな人々がその場にいるのか?
・それぞれの人がどのような役割を担っていて、どのようにわかるのか?
 服装?位置?言葉遣い? …

What: なにが?
・何が起こって/行われているのか?
・どのようなモノや道具が用いられているのか?それらはどのような役割を果たしているのか?

How: どのように?
・人々がどのように活動を行っているのか?

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こんな4W1H。要するに「Why:なぜ?」を一度、省いてみるということ。頭がいい人、メタ認知が得意な人、左脳派な人ほど陥りやすいのですが、フィールドで起こっている現象や行動に対してすぐに「説明をつけようとする」くせが発動しやすいです。「この現象の背景にはこういう心理があってうんぬん」みたいな。つまりWhy、ですね。これ、本当に「目の前で起こっていることの理由を述べている」という思考の順番ならいいんですが、ともすると「説明がつく現象を見るようにバイアスが作動し、説明がつかない現象を視界から外してしまう」という脳の動きにつながるわけです。人は誰だって、理解できることを、理解できないことより優先してみます。(よほど爆発的にびっくりするようなことが起これば別ですが) 特にフィールドワークは常に「記録をしながら」行うので、説明がつかないものは「記録しづらい」。すなわち観察の指向性から外れちゃうんです。これを防ぎ、自分の「説明つくつかない」という能力によるバイアスを外すために、「一度、Whyは忘れて、事実を4W1Hで見よ」というわけ。

企画業に携わる人には特に、はじめっから「どうやってパワポにまとめようか考えながら世の中を見て」しまったりする人も少なくない。要するに「パワポ化できないものを観ない目になっちゃう」ってこと。自分の先入観や知識の檻の外に出るためのフィールドワークなのに、自分の檻の中の解釈で見ちゃったら本末転倒。これ、やってみるとわかるんですが思いのほか、難しい意識なんですが、参考までメモしてみます!